2005年08月21日

新井喜美夫「名将」「愚将」大逆転の大平洋戦史


「名将」「愚将」大逆転の太平洋戦史

読了日 2005年8月20日

 この著者の言いたいことは最初の「はしがき」に次にように書かれている点にあると思われます。

 陸軍、海軍ともに等しく大平洋戦争を戦ったのに、陸軍だけが戦犯に問われて、海軍はほとんど無傷に等しいというのは、結果から見て、何とも納得のいかぬところである。
 思うに、海軍の代表的人物である山本五十六の人気が絶大なのに対し、陸軍の東条英樹は不評だったので、それが当然のように思い込んでしまったのではないだろうか。

 これはたしかに言えるかなと思うところでもあります。ただ、私はどうしても東条英樹に関しては、彼が庶民のゴミ箱をのぞいていた事実などが、どうにも好きになれないところですし、また彼が統制派であったこともまた嫌なところです。だが同時に私は山本五十六も少しも評価できません。米国と戦争をやっても勝てないということなら、その通りやらないことこそが彼の進むべき道だったのはないのか。
 それと、最後の「第八章 清濁あわせ呑まなかった海軍次官───井上成美」ですが、どうにも私はこの著者の考えには、少しも与したくありません。私は以下に書きましたように今も考えております。

   http://shomon.net/bun/reki19.htm#980218
                    米内光政と井上成美について少々

 このことは、私が歴史を見て考えたということではなく、自らの経験の中で考え行動をした中で、歴史を見て考えていることです。井上成美は明確に「日本が戦争には勝てない」と判っていたのなら、戦争を阻止するように動くべきです。あの戦争で亡くなったのは、私の父や母のような普通のどこにでもいるたくさんの庶民です。何もわからないまま、言われるまま戦争に行ったのです。偶然私の父は生き残れたから、私が存在できたにすぎないのです。
 このことはいつでも主張したいな。



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