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 武田信玄は、いくつも漢詩を残しています。このいくつもの漢詩を残しているところが、上杉謙信とはおおいに違うところです。
 この詩を読むと、春の桜花が散るのを惜しむ信玄が見えてきます。

    惜落花   落花を惜しむ
             武田信玄

  檐外紅残三四峰 檐外(えんがい)に紅を残す 三四峰
  蜂狂蝶酔景猶濃 蜂狂蝶酔(ほうきょうちょうすい) 景は猶お濃し
  遊人亦借漁翁手 遊人亦た 漁翁の手を借り
  網住飛花至晩鐘 網に飛花(ひか)を住(とど)めて 晩鐘に至る

  軒先の外に紅の桜花を残しているのは。三、四の山にすぎない
  それでも蜂は狂おしく蝶は酔ったように飛び、春の気配は濃厚である
  遊興人の私はまた漁翁の手を借りて
  飛び散る桜の花をとどめようとしたが、晩鐘の夕暮れになってしまった

「漁翁の手を借りて、桜の花をとどめようする」ということが、実際にどうやっているのかは、私にはその風景が思い浮かびません。魚を獲ろうとする網で、どうやって桜の花びらをとらえようというのでしょうか。
 富士五湖のどこで、その湖人の「漁師の網を借りるのだろうか、そもそもその網にかかる桜の花なんてあるのかなあ?」と少し不思儀な思いにもなります。
 私には、これもまた熱心に詩作に耽ける信玄の姿が思い浮かんできます。

 2つ目の写真は、新婚旅行に行きました次女ブルータスの甥ポコちゃんへのお土産の布絵本の8、9ページです。実は、みんな実や花がこのページからとれるのです。