2008年04月10日

周の雑読備忘録「菊池良生『ハプスブルク帝国の情報メディア革命』」

ハプスブルク帝国の情報メディア革命―近代郵便制度の誕生 (集英社新書 425D) (集英社新書 425D)
書 名 ハプスブルク帝国の情報メディア革命
    ───近代郵便制度の誕生
著 者 菊池良生
発行所 集英社新書
定 価 700円+税
発行日 2008年1月22日第一刷発行
読了日 2008年4月10日

 読んでいましてもあまり面白く感じられませんでした。ほぼ4月5日に電車の中で読み、最後の2章を今読み終わりました。
 この本の目次を書いておきます。いやこうすると、私の理解が少しは進むのです。

目 次
まえがき
序 章 十六世紀のメディア革命
 駅逓長タクシスの手に落ちた反乱「書簡」
 ときは十六世紀、郵便ネットワークは旅行業も兼ねた
 私信の環視が郵便総裁の重要な職責だった
 ハプスブルク家に恩恵をもたらしたネーデルランド領有
 古代ペルシャ帝国の宿駅制度が範
第一章 古代ローマ帝国の駅伝制度
 近代郵便の雛形、駅伝リレー輸送システムの開発
 船より断然早く、日に三回郵便が発着した
 カエサルは情報ネットワークとして駅伝制度改革
第二章 中世の伝達メディア
 王の使者としての伝令使、騎馬飛脚
 使僧に託され全ヨーロッパを往来した「死者の巻物」
 十六世紀に全盛を誇ったパリ大学飛脚制度
 「北欧商業」の潤滑油、ドイツ騎士団の飛脚制度
 ドイツの都市飛脚、北イタリアの商人飛脚の台頭
第三章 近代郵便制度の誕生
 ミラノで復活した古代ローマ駅伝制度
 近代郵便の祖タクシス家の台頭は。ヴェネチア商人飛脚から
 近代郵便制度元年は一四九〇年?
 「新書の秘密」が大原則として確立するのはまだ先の話
 フィリップ美王ーブリュッセルーフランツ・フォン・タクシス
 ハプスブルク国家行政と郵便事業の中間項としてのタクシス家
 「近代郵便大憲章(マグナ・カルタ)」の誕生
第四章 郵便危機
 皇帝カール五世、タクシス家当主バプチスタを帝国郵便総裁に任命
 ハプスブルク世界帝国が可能にした情報インフラ整備
 スターを筆頭にプロテスタントはタクシス郵便を嫌った
 郵便コースの宿駅充実が旅行概念を変えた
 カール五世の退位。第一期ヨーロッパ世界経済システムの危機
 新しい都市空間ネットワークを生み出した商人が復活させた都市飛脚
第五章 ヨーロッパ各国の郵便改革
 ルドルフ二世、一五九七年に帝国郵便を創設
 帝国郵便と領邦郵便の奇妙な内縁関係
 中途半端に終わったルドルフの郵便改革
 フランスの郵便制度の近代化
 郵便制度でも辣腕宰相リシュリュー
 郵便収入を国家金原理に組み入れたフランス
 中央集権化に向かったイギリスの郵便制度
第六章 郵便と検閲そして新聞
 粉みじんに打ち砕かれたミラボーの「新書の秘密」遵守演説
 新書の秘密裏の開封は郵便の歴史そのもの
 新聞は郵便インフラを起源とする
 ドイツ三十年戦争───情報を求め濃密化する郵便網
第七章 「手紙の世紀」と郵便馬車
 パプスブルク普遍主義の看板が降ろされた
 郵便制度───十八世紀は「手紙の世紀」となった
 タクシス家の帝国郵便に伍する国営プロイセン郵便
 郵便契約でドイツの郵便網は統一された
 郵便契約によるヨーロッパ大陸横断郵便コースの形成
 げに恐ろしきドイツ郵便馬車の実態とは?
 スピード、旅の「民主化」、公共性が郵便馬車の人気の理由
 馬車の客は、旅の快適より、なによりスピードを求めた
第八章 国庫金(郵便大権)の終焉と郵便の大衆化
 「信書の秘密」遵守を謳った革命精神はしっかり灯った
 一ペニー料金制度の導入、そそて郵便切手の誕生
 帝国郵便からタクシス郵便へ、そしてドイツの郵便分裂
 一八五〇年、ドイツの郵便統一なる
 一八七五年七月一日、ハプスブルク家の近代郵便が万国郵便連合に結実
終 章 郵政民営化の二十一世紀
 近代郵便制度は恐ろしいほどの強制力を後世に残したメディア革命であった
 ヨーロッパの近代化を根本から促進させた「非物質的遺産」
 二十一世紀の途轍もないグローバリーゼーションのなかで
あとがき
参考文献

 思えば、フランス革命というのはすごい大変革をやったのですね。「信書の秘密」なんていうごく当たり前のことが、ここから確立されたのですね。
 私が東大闘争で逮捕されて府中刑務所に勾留されていたときには、手紙はすべて検閲されていたわけです。でもフランス革命の前には、みな手紙というものはすべてがそうだったのですね。このことを知っただけでも、実に大きな人間の歴史を省みた思いがしました。



shomon at 14:32 │Comments(0)TrackBack(0)clip!周の雑読備忘録 

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