2008年05月15日

周の漢詩入門「柳宗元『江雪』」

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 前にも、周の漢詩入門「柳宗元『漁翁』」にて、この柳宗元の詩を紹介しました。そこに私は次のように書いています。

 中唐の文書家であり詩人であった柳宗元には、こんな自然の中での生活が理想だったのでしょう。ただまだ私には、こんな生活をあこがれる気持には到底なれません。

 でも、このときには、私はよく判っていませんでした。
 次の詩も読んで、ようやく何かが少しは判った思いがします。

    江雪   柳宗元
  千山鳥飛絶 千山 鳥飛ぶこと絶え
  萬徑人蹤滅 万径 人蹤(じんしょう)滅(き)ゆ
  孤舟蓑笠翁 孤舟 蓑笠(さりゅう)の翁
  獨釣寒江雪 独り釣る 寒江の雪

  全ての山では 鳥が飛ぶ姿も絶え
  すべての路では 人の歩んだ跡も消えた
  ぽつんと一つだけの小舟には、蓑と笠だけの老人が
  独りで雪の降る寒い河で魚を釣っている

 柳宗元は、決して超俗孤高の自らを誇っていたわけではないのです。彼は唐の順宗の時代、政治改革を目指して闘いましたが、順宗が病のため位を去ったあと、失脚し、みな辺境の地へ追放されます。柳宗元もまた、この政変「八司馬の変」のあと、永州司馬に左遷されます。
 だから、この凍てつくような「寒江」は、作者をとりまく絶望的な現実があるわけです。それでも彼は、その中で孤独に耐えて生き抜こうとしているのです。
 このことに今気がついて、自分がいつも中途半端にしか物事を理解できていない、もっとちゃんと理解しようとしていないことに、苛立っています。



 この写真は5月13日午後6時すぎの千駄木「浅野」です。でも思えば、この日はけっこう歩き続けていたので、少しくたびれていました。


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