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 北宋の政治家であった司馬光の詩です。

    初夏     司馬光
  四月耋賊乍晴 四月清和 雨乍(たちま)ち晴る、
  南山當戸轉分明 南山戸に当たって 転(うた)た分明なり。
  更無柳絮因風起 更に柳絮の 風に因って起こる無し、
  惟有葵花向日傾 惟だ葵花(註1)の 日に向かって傾く有り。

  (註1)葵花(きか) 向日葵

  四月の初夏、雨はたちまち晴れて、
  南の山は門も正面にあって、すぐにくっきりとしてきた。
  もはや柳の棉が風によって舞うということはない。
  ただ向日葵が太陽に向かっているのが見えるだけである。

 最初の雨とは政敵であった王安石の新法時代のことともとれます。神宗が没して、哲宗が就いたときに宰相となった司馬光には、その雨があがって、晴れの気候が見えたものなのでしょう。思えば、この人は王安石とは反対の立場の旧法党の急先鋒でした。
 この人の『資治通鑑』は何度もあちこちを読んだことがありますし、彼の文章は、『古文真宝』にて、いくつか読んできたものでした。
 思い出せば、私は『古文真宝』は、東大闘争で、府中刑務所にいるときに、差入してしてもらいましたが、さすが漢文のみでは歯が立たず、やがて参考書も入れてもらったものでした。でもあの時代に、この『古文真宝』に触れていたことは、私には実にいいことだったといつも思い起こされてくるものです。

 3番目の写真は、5月26日の新『きゃらめる』でおとうふののお通しです。