2017061908

男はつらいよ 寅次郎あじさいの恋 で、私はこの映画を思い出して、このブログに書いたわけですが、今回、男はつらいよ 全作品覚え書ノート 寅さん 映画渥美清 を読んでみて、いくつも私の記憶を訂正することになりました。53cb0fc1.jpg
この 男はつらいよ全作品覚え書ノート 第29作「寅次郎あじさいの恋」を見ていながら、私が一番間違っていたのは、この映画のあじさい寺を、北鎌倉のあじさい寺明月院だと、今も今まで思い込んでいたところです。でもこのいしだあゆみのかがりと、寅とそして満男が会うあじさい寺とは、明月院ではなく、江の電の極楽寺を下車した由比ヶ浜を望める 成就院 なのですね。
それで、始めて判ったのです。かがりと寅と満男は、このあじさい寺から、江の島まで行きます。思えば、北鎌倉の明月院から、江の島まで行くのは、大変に遠いはずです。「小さな満男もいるのになあ」なんて思っていましたが、成就院なら江の島はすぐそこです。
ああ、そうなんだ、と今になってやっと判った私なのです。
その他、いくつものところで、このシナリオを読みながら、私の記憶のいい加減さに嫌になりました。

この映画では、かがりがものすごく暗い印象があります。でもそれが寅にあって、ものすごくいい貌になる彼女の姿顔があります。寅からもらった下駄を嬉しそうに見ているかがりの顔、とってもいい顔です。こんな顔のかがりをいつも見ていたい、こんな顔の女性の顔をいつも見ていたいと思います。
加納先生の弟子の蒲原がきて(実は私はこの人物が弟子か加納の息子か判りませんでした)、かがりを棄てることになります(でも別に結婚の約束をしていたわけではないから、棄てたわけでもないのですが、結局なぜかかがりが暗く消極的だったのです)。
そして傷心のかがりは丹後に帰ることになります。
そこを寅さんが尋ねることになります。寅さんはかがりに惚れていて、ふられて傷心のかがりが心配だったのです。
そして丹後でかがりに寅さんは会います。二人が海を見ていて会話するところは、とってもいいシーンです。二人が海を見てたたずんでいるところは、なんだか実にこのまま時間が止ればいいのにと思うところです。
そしてやがて、二人でお酒の飲むシーンになります。このときのかがりは実にエロチックで魅力的な表情をしています。
でも私は思うのですが、そしてつまらないことをいいますが、こういうシーンで飲むのはやっぱり日本酒ですね。お酒をお猪口についでも、結局コップにつぐことになっても、それがビールだったり、ウィスキーだと絵にならないものです。かがりが、コップの中に残ったお酒を飲み干すシーンもあります。
そしてかがりは、寅の眠っているはずの2階に上がってきます。寅がそれが判っています。でも眠っているふりをします。

*****************************     思わず寅は寝たふりをする。
かがりん……寅さん…
寅、顔を横にして寝たふり。
かがりもう寝たの?…
和代のランドセルのカバンの鈴が僅かに鳴る。
かがりのテーマが静かに流れる。
静かに襖が開く。
ランドセルの鈴が鳴る。
寅をじっと見るかがり。
窓が開いている。
かがり「あ、…開けっ放し…」
と部屋にそっと入り奥の窓を閉める。
寅の横に座り
かがり(無声音)電気つけたまま…
寅の顔はかがりの方を向いている。
かがり、スタンドをそっと消そうとする。
寅寝言のように
寅「う、あー寒い…
と寝返りを打ち、かがりから顔を背ける。
かがり、少し驚くが、そのままスタンドの灯りを消す。
嘘のイビキをかく寅。
そのまま座り、寅の布団を静かにゆっくり直すかがり。
直し終わっても暗闇の中座り続けるかがり。
嘘のイビキを小さくかき続ける寅。
緊張しながら何かを待つかがり。
顔をそむけたまま嘘寝を続ける寅。
時間が経っていく…
嘘寝のまま目を開けようとしない寅に、耐え切れず
腰を上げ立ち上がるかがり。
部屋を出て行くかがりの白い脚首が明かりに照らされて
妖しく光っている。
ゆっくりゆっくり襖を閉めるかがり。
鈴の音…
階段のきしむ音
嘘寝を続ける寅
階段を下りていくかがりの足音…
目を開ける寅
むくっと上半身を起こし、何かを考える寅。
寅「はあー……」とシリアスな顔でため息。
目は遠くを彷徨い、複雑に一連の行動を考えている。
寅にもう少し寄り添いたいかがりの深い孤独と性、
そしてそれに応えることができない不甲斐ない自分への絶望。
目はゆっくり下を向いていく。                                     ****************************

そしてそのあと、かがりは東京へ旅行に出てきて、柴又を訪れて、そこにいた寅に手紙をこっそり渡します。

鎌倉のあじさい寺で日曜の午後一時、待っています

やっぱり、私なら明月院のあじさい寺と思って北鎌倉へ行ってしまいますね。寅はよく成就院と理解できたものです。この成就院は、弘法大師ゆかりの縁結びの神様が祭られており、恋が成就する場所と言われています。思えば、かがりは必死の思いで、寅との恋を成立させたかったのだと思います。
でもそこへ来たのは、満男がいなければ、こられなかったような寅なのです。

江の島で、寅とかがりはお酒を飲みます。あ、江の島にも渡っていたんだと私が気がつきます。

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寅「もし…よかったら、あいつだけ一人先に帰してもいいんだけども…
かがり、首を横に振って、微笑みながら
かがり「そんなことやないの…。今日寅さん、なんか違う人みたいやから
寅「そうかなあ…、オレはいつもとおんなじつもりだけども
かがり「私が会いたいなあ、と思っていた寅さんは、もっと優しくて、楽しくて、風に吹かれるタンポポの種みたいに、自由で気ままで…。フフフ…、せやけど、あれは旅先の寅さんやったんやね
寅は下を向いてしまう。
かがり「今は家にいるんやもんね。あんな優しい人たちに大事にされて…
寅、何か言おうとするが、結局何も言えない…                     ****************************

けっきょく、これは何がいけないのでしょうか。思えば、どんなに恋していても結ばれない二人っているんですね。もう仕方ないことなのかなあ。

しかし、私は自分の記憶力にかなり自信がなくなりました。

それと、このあじさい寺成就院に行ってみましょう。そして江の島にも渡ってみます。

男はつらいよ 寅次郎あじさいの恋 へ

2つ目の写真は7月3日午後の戸塚町です。この路は、前の写真からさらに左折しました。そしてまた右折すると少し広い通りになります。その通りは面影橋と早稲田通りをつなぐ路になるのです。

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