0d682acf.jpg この写真は、7月5日午後12時を少し過ぎた時間に、谷中よみせ通りから、池之端通りに出る路です。
 私は随分昔、このいまでは正確には判らないのですが、このビルやマンションになっているところの古い日本家屋で、旅行社をやっているところに、営業に入りました。私は「観光ホテルセンター」というところにいたときです。
 たしか1975年の冬だと思いました。いくつもの観光ホテル・旅館のパンフレットを持って入ったものでした。そこが歳をとったご夫婦が住んでおられた旅行社でした。私はまだ25歳くらいでしたが、あのご夫婦は60歳代だったかな。
 その家、そしてそのご夫婦の感じが、私には、夏目漱石『こころ』を思い出させていたものなのです。ここのご夫婦は私には、『こころ』の主人公が隠れて住んでいるところに思えたものでしした。
 もちろん、そんな話は一切せずに、当たり前の私の仕事上の営業の話をして去ったものでした。翌年の3月頃にも、また私は訪れたものでした。そしてやっぱり、『こころ』の先生を思い出していました。
 その後、私がもう結婚して子どもができた頃、ここを歩いてみましたが、もうその旅行社も、日本家屋もありませんでした。
 時間だけがどんどんと過ぎてしまったのですね。

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