2008年07月27日
吉本隆明鈔集「音楽であれ文学であれ絵画であれ、自分が自分に発する問いが声になるかならないかは重要でない。重要なのはそうした自己表出がどれだけ豊たかかということ」
絵画を例にとれば、色をどう使うか景色をどう描くかという問題より、描く以前に画家がもっているはずの自分が自分に問う自己表出性が問題で、それがいかに豊富であるか否かが絵画の芸術的価値を決定します。
音楽でいえば、技術的にうまく弾けたとか弾けなかったということではなく、その人が自分に問う音楽性、それがどれだけ豊富であるか豊富でないかという問題が音楽の芸術的価値の根幹をなします。その人ががどういう演奏家で、どんな曲をどのように弾いたかということは芸術に間接的な影響は与えるでしょうが、直接的にはどういう曲目をどう弾いたかということは問題にならない。あるピアニストが弾いた曲に芸術的価値があるかいなかということは、その人が絶えず日常的に問うている音楽性が決定すると思います。
音楽であれ文学であれ絵画であれ、自分が自分に発する問いが声になるかならないかは重要でない。重要なのはそうした自己表出がどれだけ豊たかかということです。(「日本語のゆ」くえ『第一章芸術言語論の入口 『言語にとって美とはなにか』のモチーフ)
自分が自分に発する声が、どういうふうに言うのか聞こえるのかということではなく、どれだけ豊かに発せられるのは、それがどう自分で豊かに自己表出できるのかという問題であるかと思います。これが芸術性ということだと思います。芸術の価値はあくまで自己表出にこそあるのです。




























































































