2008年11月19日

周の雑読備忘録「吉本隆明『「芸術言語論」への覚書』」

「芸術言語論」への覚書
「芸術言語論」への覚書
クチコミを見る

書 名 「芸術言語論」への覚書
著 者 吉本隆明
発 行 李白社
定 価 1,700円+税
発行日 2008年11月17日初版発行
読了日 2008年11月18日

 電車の中だけで読書しているわけですが、昨日はクライアントへの行きと帰りにすべて読んでしまいました。
 もう全ページに渡って、心の中で頷いているばかりでした。もちろん、今後私の『吉本隆明鈔集』でいくつも扱っていくことになるでしょう。
 以下の「黒ちゃんへ」という文章がとても気に入りました。

新年おめでとう
 黒ちゃんもわたし同様にテーブルやソファのうえで眠りこけている時間が多くなりましたね。でも外猫が黙って家の中に入り込んだり、庭で家猫の悲鳴が聞こえたりすると、残りの家猫に率先して皆で追いはらったりして長老ぶりを発揮して、なかなか頼もしいかぎりです。
(「長老猫の黒ちゃんへ」)

 私は子どものときから、猫というのは一度も飼ったことがないので、その雰囲気が一度も体験もないわけなのですが、でもこの吉本さんの文から、想像してしまいます。たいへんに頼もしく、そして長老とはいえ、可愛いものですね。そしてまた私は私の家で飼っていた犬や街で知り合った犬のことを思い出していました。
 以下がこの本の目次です。あちこちで読んできた文章もいくつかありましたが、こうして本にまとまっていますと、実にいいものですね。

もくじ
第一1部 神話と歌謡(未発表原稿)
 神話伝承と古謡
 歌集『おほうなはら』について
 歌集『おほうなはら』について(二)
 歌集『おほうなはら』について(三)
 人生についての断想
  僕が勉強をやめた理由
  勉強よりも時間のテンポを合わせる
  遊びを知っていた漱石、生涯遠慮していた鴎外
  勉強ができない人も劣等感をもたなくていい
  独学の田中角栄がもっていた見識とは
  実生活で人の役に立つ「知」とは何か
  枝葉ではなく幹を捉える
  専門の勉強は就職してからすればいい
  「俺は人を愛せない人間じゃないか」と思った
  知識を養うと愛はどう変貌するか
  愛情不足が起こす悲劇
  愛されなくちゃ愛せない
  女性が欧米化してゆく途中
  異性に対して奥手になってしまう原因
  男のすべての愛情の根底は友情にあるんじゃないか
  「男性の本質はマザーシップだ」と太宰さんは言った
  女の人は難しいとつくづく思う
  夫婦が別れないために必要なこと
  少数化問題は軍隊の問題
  異性間と同性間では魅力の質が違う
  意識のバランスがとれていると魅力的に感じる
  ウマが合う人と合わない人は何が違うのか
  人生の仕事って何だろうか
  受身で生きることができたら上等
第二部 情況との対話(単行本未収録原稿)
 詞人と詩人
 清岡卓行を悼む
 漱石の巨きさ;岡井隆の近業について―『家常茶飯』を読む
 『死霊』の創作メモを読んで
 小川国男さんを悼む
 垣間見えた鮮やかなロシアの大地
 深い共感が導き出した稀有な記録
 家訓の重圧に耐えられるか
 靖国論争にとらわれては日本は変わらない
 いじめ自殺 あえて親の問う
 「二大政党制」で凡庸な政治家に九条改正されたらかなわない
 『蟹工船』と新貧困社会
 長老猫の黒ちゃんへ
 大きい猫と小さい子供の話
編集後期

 ただ、この本には、吉本さんの新しい文章はついていないのです。それがちょっと寂しい限りです。
 でも、今後この本から、私の『吉本隆明鈔集』(私の『吉本隆明鈔集』は、ホームページにもありますが、ブログに書いているのは『吉本隆明鈔集(ブログ篇)』としています。いずれホームページ上の『吉本隆明鈔集』に合流させますが、それをやっている時間がないのです)に書いて参ります。



トラックバックURL

この記事にコメントする

名前:
URL:
  情報を記憶: 評価: 顔