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新聞名 図書新聞第2928号
発行所 図書新聞
定 価 240円
発行日 2009年8月1日
読了日 2009年7月25日

 次を読みまして、ただただ昔を思い出していました。

評者◆平井玄 追悼・平岡正明 笑い続けた男 好漢平岡正明、暁に死す!

 2面の訃報を読みますと、まだ68歳だったのですね。なんだ、まだそんな若いお年だったのですね。私とは7歳しか離れていないんだ。

 平岡正明は「笑い続けた男」である。1960年の第一次安保闘争このかたの半世紀、彼の言葉から笑い声が絶えたことはなかったと思う。捩じれたインテリのシニカルな薄笑いではない。人を嘲る「嗤い」でもない。自分自身もろとも中空高く笑い飛ばし、舞い降りてきた時にはクリナメンさながら、ありえない光景に降り立つ――といった笑いだった。70年代の辛い時期には、ほんの一瞬だけその声が掠れて聞こえたことも確かにあったが、そんな時でも「笑うこと」、その跳躍力を思い出させてくれたのは間違いなく彼の文章である。ベルクソンを訳した林達夫や『大夫才蔵伝』の鶴見俊輔、そしてアルレッキーノを論じた山口昌男といった「笑い」について考察した思想家たちはいたが、生涯かけて飽きもせず実践した酔狂極まりない者は、平岡正明ただ一人である。

 もうただただ、何もかもがあちらへ行ってしまうさまを目の前にしています。私だっていつになるか判らないのですね。
 もういくつものことを思い出しました。