2009年10月10日

周の雑読備忘録「日経新聞『藤沢周平と山本周五郎』」

965e15b2.jpg もう2日前になってしまったわけですが、2009年10月8日の日経新聞夕刊の12面に「高橋敏夫『歴史・時代小説の巨匠たち』」という文があり、内容が「藤沢周平と山本周五郎」で、「『市井もの』逆境の生鮮やかに」があります。この二人とも私はかなり読んできました作家ですから、何かを書き記したいと思ったものです。
 まず二人の写真を見て、私はブツブツ言っていました。私は藤沢周平さんは、この顔もよく知っていましたが、山本周五郎は初めてです。

 私は今年の4月の終わりから5月始めにかけて、妻が柏の癌センターに入院しました。そのときに、病院の売店の書籍を見たのですが、藤沢周平はどの文庫本もたくさんありました。もちろん、私も購入しまして、妻の枕元に置くのですが、でもでも読んでいるのは私でした。だが山本周五郎はその売店にはただの一冊も置いていないのですね。
 私は理解できました。藤沢周平なら、入院中でも実に爽やかな気持で読んでいけます。でも山本周五郎だと、結局は、周五郎にお説教されているような気持になってしまうのではないでしょうか。

 私はここに記してある本は、ほとんどを読んでいます。山本周五郎では、『樅の木は残った』を読んだのは、中三のときでした。もちろん、あとでも20代にもう一度読んでいます。私はときどき、「原田甲斐は本当にどんな人だったのだろう?」なんて思います。もちろん、私は周五郎が描くような人物だったと思っています。
 その他の作品もよかった。でもでも、私はいつも周五郎に言われているような気持になります。「人間というのは、本当はこんなに素晴らしい存在なのだ!」。私は「それは、本当かよ、ホントかよ?」という気持なのですね。
『さぶ』で、私はこの中の栄二(「武松(ぶしゅう)」と呼ばれている)に惚れる「おのぶ」が私は大好きです。でも栄二の妻になる「おすえ」が私は今も許せません。この女が栄二を寄場に送る原因を作るのです。簡単に許してしまいます栄二が私には理解できません。この物語から、もう私は周五郎を読んでいません。ただ、栄二をいつも見つめているさぶの視線は大好きです。

 藤沢周平は、今私は全集を読んでいるところです。かなり読んだ本もありますが、中でも私が読み忘れている作品を残らず読んでいきます。
 そうですね、藤沢周平では、二つの点が不満です。一つは彼が強力な日本共産党支持者だったことです。私はこれはどうにも嫌なことです。でもそのことはいつも忘れるようにしています。
 もう一つは、彼がいつも江戸時代の武士たちを力強く美しく描くところです。もちろん、多くのどうしようもない武士が多いわけですが、主人公の武士たちは、みな貧しいけれども、剣に強く、そして極めて真面目です。でもでも、私はそういう武士が大嫌いです。真面目に働いていた私の祖先の百姓農民のほうがずっと好きです。でもまあ、そんなことを言っても仕方ないのでしょうね。
 とにかく、私は藤沢周平を全作品読んでまいります。



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