11021204 中国という国はあまりに長大な歴史を持っています。そして歴史の本も実にたくさんあります。これがあまりに多いために、元の時代に曾先之という人が、十八の歴史書をまとめて子ども向けに書いたのがこの本です。
 最初『史記』(司馬遷)から始まり、2『漢書』(班固)、3『後漢書』(范曄)、4『三国志』(陳寿)……という順番になっています。
   以下は5『晋書』(房玄齢)、6『宋書』(沈約)、7『南斉書』(蕭子顕)、8『梁書』(姚思廉)、9『陳書』(姚思廉)、10『魏書』(魏収)、11『北斉書』(李百薬)、12『後周書』(崔仁師)、13『隋書』(魏徴・長孫無忌)、14『南史』(李延寿)、15『北史』(李延寿)、16『新唐書』(欧陽脩・宋祁) 、17『新五代史』(欧陽脩)、18『宋鑑』』(李熹)と『続宋中興編年資治通鑑』(劉時挙)の二書。
 実は私も4までは、どうやら知っています(そして3以外は読んでいます)が、そのあとは欧陽脩の名前と性格が少し分かるくらいです。
 このそれぞれを実に簡略に書いたもの(だから中国では子ども向けの本とされている)なのですが、ただ、日本ではこれが中国の重要な歴史の本だと思われており、とくに江戸時代には、これは漢文の本として多く読まれたものです。
 私たちも漢文でこの本のいくつかは読んでいるかと思います。
 ただし、『史記』では、夏(か)の国の前の五帝の時代の最初の黄帝から歴史が始まるのに、この『十八史略』では、その五帝の前の三皇の時代の以前からも書かれています。私たちが漢文でも親しい文章も多いために、私なんかは実によく親しんできた本です。
 私が読みましたのは高校1年のときでした。もちろん、そのときには『史記』を読んでおり(筑摩書房世界文学大系で)、そこらへんのことは、この『十八史略』は、あまりに略すぎて不満なところでした。
 だが、元の前の宋の時代になると、とくに私なんかは、読んでいた本がないわけで、宋(南宋)が滅びるときに元のフビライ汗と決然と戦う文天祥の話には、涙を誘われたものです。
  今でも私はその高校1年のときに覚えた文天祥の『正気歌(せいきのうた)』は、全文暗誦できますし、彼の『過零丁洋(れいていようをすぐ)』は今でもときどき詩吟として詠っています。つい先日にも詠ったものでした。(2011.02.12)