先週、ある会合があったのですが、そのときに考えたことです。
私は比較的、いろいろな会合に出席することがあります。その場が立食のパーティということも多いのです。そんな会合やパーティに出席する若い方によく話すことなのです。
そうした場には、いわば会社の命令で出席するわけです。ですから、若い方々もできるだけ多くの方と会話しようという気になっています。とくに主催者側の幹部の方々とは、まずは名刺交換をして顔を知ってもらおうと考えるようです。その主催者側や来賓の社長などに、大勢が列をなして名刺交換を求めている姿を見ることが多々あります。私はいつも、「なんで若い人は無駄なことをやるのかな」なんて思ってしまいます。そんなに大勢の名刺をもらう相手は、あなたの顔なんか覚えられないのですよ。
私が２０代のとき、観光ホテルの営業マンだったときには、そうした会合パーティのときには、主催者側にことわりまして、必ず詩吟をやりました。当然詠う前に、自分の会社と私の名前を言います。そのあとに営業に行ったときに、このことを言うと、相手は必ず私のことを思い出したものです。
ただ、もちろんみながこんなことができるわけではありません。
私は次のように言うのです。そうしたパーティの席では、いわゆる「大物」に接しようとするよりは、いわば自分と同じようにどこか周辺で、なんとか誰かと会話したいなという同じ若い年代と知り合いになることが大事なのだ、と。こうした場で、自分と同じ年代の５〜１０人くらいと名刺交換して、いろいろ話すことが大事なんです。彼らもそうした場で話し相手を求めていますから、話がはずむはずです。そんな場で必ずそうしていると、何人もの知り合いができてきます。中には、必ず気の合う友人になれる人も出てくるはずです。そこまでなれる割合は少なくとも、同じ年代なのですから、とにかくその場では気楽に話せる仲間なはずです。
こんなことをいつも心掛けていて、その中で気心が知れた方とは、私的な場でもつき合うようになっていけば、それが、５年１０年たつと、重要な相手になってきます。さらに１０年１５年たつと、その相手はもう新人ではなく、彼の会社やその業界の重要人物になるか、あるいは、独立しているなんてこともありえます。相手もあなたを大事な仕事の相手と考えるようになっているかもしれません。
私はこういうふうに知り合った友人が何人もいます。実はもう親しくなって改めて「どこで、どうやって知り合ったんだっけ？」なんて考えて、かろうじて思い出すなんてことがあります。「ああ、あの会合で、会場の隅っこで、ビール飲みながら名刺交換したのが最初なんだね」なんてことです。 ぜひ、私の言うこんなことを頭の片隅に入れておいてほしいな。
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