1112060511120606 気になるというよりも、どうにも怒りをおぼえるCMがあります。東京海上火災保険会社が菅原文太を使って行っている自動車保険のCMです。菅原文太は大好きな俳優ですが、あのCMの内容には腹を立てています。

  自動車事故起こしたことがあるのか。ないんだろう。
  自動車保険はな、代理店が大事なんだよ。
  いい代理店選べよ。
  ………………………………
  ………………………………

というような一連のCMです。これを見ていると、自動車事故というのは、損害保険代理店の力によってどうにでも左右される、どうにでも保険給付金が左右されるような思いになりませんか。

  そうか、代理店の優秀さで保険給付金の額がきまるのか。

なんて思い込みませんか。でもそうした思いはまったくの間違いです。そしてあのCMはそうした誤解を生んでほしいというような意図が感じられます。
 事故を起こした場合は以下のとおりです。
 まず2台の車がぶつかったとすると、その事故の加害責任の分担に関して決めるのは警察です。その割り合いがA対Bが6対4の加害責任だとすると、それによって、被害額に対する給付金の割り合いが決まります。そこで双方の自動車保険の損保会社の事故センターがそれを負担しあうように取り決めます。もちろん、まったく保険に入っていないとか(ありえないだろうな)、あるいは車両保険は入っていないとかあるかと思いますが、そうした内容によっては、保険給付金だけでは、その被害額を払えない場合も出てくることもあるかと思います。
 ただ、あくまでこうしたことで保険給付金額は決まっていきます。そこに代理店の力は介入のしようがありません。もしできることといったら、すばやく事故の届けをすることとか、警察には必ず届けをするようにというアドバイスをするというようなことでしょう。
 それをあのCMはどうにも誤解を与えがちな内容ではないのかなと、私は思うのです。
 あのCMの本当の意図は次の2点が考えられます。
 まず、保険のビックバンに向けて、こういうことをユーザーに知ってほしい。

  ニッセイのおばちゃん軍団では、自動車事故をうまく処理でき
  ないよ。

 すなわち日本生命(もちろん他の生命保険会社も)の強力なセールスレディたちでも、自動車事故に関しては、慣れている損保の代理店が安心だよ、ということを言いたいのですね。
 そしてもう1点。これは一般ユーザー向けではなく、損保の代理店向けです。

  ビックバンになろうとなんだろうと、私たち損保会社は代理店
  が大事なのです。

という意図を伝えたいのです。
 実はこの金融・保険等々のビックバンを目の前にして、損保の代理店の3分の2は、もはや損保会社にとっていらない、切り捨てていきたい存在だと言われます。もうこんなにいらないのですよ。そうしないと、ビックバンでは損保会社は生きていけません。だからその代理店そのものが、今かなりな危機感を持っていると思います。代理店そのものは、どこの損保会社でやってもいいのですから、もう安心してやれるところへくら替えしてもいいかなと考えても不思儀ないわけです。そうした代理店に対して、「いや、私たちはあなた方を頼りに思っているんですよ」というメッセージがあのCMの、もう一つの意図なのです。
 だから、私は腹をたてています。いつも

  東京海上、いいかげんにせいよ

とぶつぶつ言っています。
 菅原文太さんは大好きなのですがね。