12010801 大前研一は、たぶん候補者のなかでは政治的な見識も、経済政策的な見識も、学問も、格段に優れているとおもう。でも都民大衆の票を獲得するのには何かが欠けているような気がする。ひと口に、欠けているものは見識ではなく、大衆性だといってもいい。譬てみれば、芸術大学の声楽科の研究生や教師が郷ひろみの歌唱は発声法が出鱈目だからだめだと評価したとしたら、だめなのは研究生や教師のほうで、郷ひろみはやはり偉大だと、評価できるような大衆への叡知がないのではないかと思わせるところがあるような気がする。
「情況との対話第29回−都市博中止は是か非か」徳間書店「サンサーラ」1995年8月号に掲載

 実をいえば、大前は子どものときから吹奏楽や合唱をやっており、それこそが自分の思考の原点なのだと言っているようなところがあるから、「郷ひろみなんて冗談じゃない」というところがあることだろう。それをこうして指摘されれば、大前はくさりきってしまうだろう。できたら大前なんかには、もうくさりきってほしいものだ。