2012年05月21日

吉本隆明鈔集467「笑いというものの幅というか、時代の層が厚くなってきている」

12051905 いまテレビでいちばん多いのは食いものの話ですね。芸にもなっていない若い芸能人が出てきて、何か食っては「うめぇ」とかいっている。そうじゃなければ、お笑い番組です。もちろんそれは人間の非常に大切な要素だから結構なことなんだけれど、「これだけかぁ?」というふうになってくると、どうでしょうかね。
 これも別な視点に裏返せば、とうとうどん底まできたよなってしまいますね。人間が生きる上でいちばん肝心なことしかテレビでやらないんです。肝心なことは何かといったら、お笑いと食べることになりますね。
 でもまず美味いか不味いかなんていうのはほんとうに食ってみなければわからないし、人によっても違うわけです。お笑いだって同じことで、誰でもちょっとしたことについて笑えるときもあるし、相当深刻でも笑えることもあります。逆に笑いというものの幅というか、時代の層が厚くなってきているということもありますね。
『還りのことば』2006.5.1雲母書房「記<空隙>より出る言葉」

 たしかにテレビを見ていると、このお笑い芸人が食いものに関係したことをやるということが実に多いように思います。そしてその食いものについての表現の方が大変に多くなったように感じています。これは、なんだか、「なんだかこれだけなのか」と思うところと、それでも、「じゃ、俺はこれに類したことを、どう表現できるのかな」ということをいつも考えています。



トラックバックURL

この記事にコメントする

名前:
URL:
  情報を記憶: 評価: 顔