12103024 これはかなりな推理小説ともいえるように思います。私はちょうど先ほど書いた2作とこの作品の間に、パトリシア・コーンウェル『検屍官』を読んでいたので、またこの話の事件の展開、犯人の追及などの展開にかなり興味をもてました。

 伊之助のところでちょっとしてことから面倒をみている白髪の老人が突如殺されてしまいます。さてそれでまた八丁堀の同心から頼まれてしまいます。こうして伊之助が事件の解明をしていっても、手間賃がでるわけではないのです。でもやっぱり伊之助は次第にこの事件に関わっていきます。これには25年前に起きた未解決の押し込み強盗事件にさかのぼらなければなりません。そのときの被害者にあたっていきます。
 この伊之助はまたかなり腕っぷしもたつのです。前の事件のときにも、伊之助のこの腕で活躍する姿が表れてきます。その意味ではまた、これはハードボイルド小説でもあるのです。
 またこれに続く伊之助の活躍する物語を書いてほしいなと思います(もう無理なことですが)。そこではもう伊之助はおまさと一緒になっているでしょうか。まだ彫師の親方にさぼるので(どうしても事件解決に動くので、本業の仕事がおろそかになる。職場の人たちは彼のそうした姿のことは何も知らない)、怒られてばかりいるのでしょうか。12103025

 でもやはりどうなろうと、伊之助の住む裏店の長屋は変わらないし、そこの住む人の姿も変わらないように思います。それがおそらくそのまま、江戸時代がおわり、明治大正昭和となってもそのまま、おそらくはついこのあいだまでそのままで存在していたように私は思ってしまうのです。