1211030112110302  ところが六兵衛は、斬りかかるどころか、脇差を神妙な面持ちで差し出したのである。

 これには私も驚いてしまいます。いや「結局は脇差を差し出すだろうな」とは思っていたのですが、こんなに素直にすぐにとは思いませんでした。そして以下のように座るのです。

 六兵衛は頭がよい。打てば響く。隼人の意を汲んで、「帝鑑の間の勤番士」に見えるよう四十畳の座敷の隅に居場所を定めたのである。

12110208 城中の黒衣(くろこ)たる茶坊主が、一番動き回ります。彼らには意思がないかのようです。思えば、明治維新でこれらの人はどうなったのでしょうか。武士社会の嫌な面、汚れた面をいつも隠し通してきたのでしょうね。いくつも小説の中で読んだことがあります。