12110912 一つ前の『史記五帝本紀の前の伏儀と女カ』でも書きましたように、この神についても司馬遷は少しも書いていません。司馬遷はあくまで人間の歴史が書きたかったのであり、「神とかいうのは、俺は知らないよ」と思っていたでしょう。でも私は敢えて「司馬遷『史記五帝本紀の前の燧人』」という題名にしました。
 ただし、前回と同様に、司馬遷は少しも記していません。だが私は司馬遷も少しは話を聞いていたと思うのですね。ただ人間の歴史しか興味のなかった司馬遷はまったく書くことはありませんでした。私は司馬遷が、「人間の歴史を書く(しかも紙にではなく竹簡に)のに忙しいのだ。神とやらには興味がない」と思ったように考えるのです。
 この燧人(すいじん)が、火をおこし、食べ物を焼くことを人間に教えたそうです。そうすると、『伏儀と女カ』で書いたように、「女カが人間を作った」その前に火を教えたなんて、なんだか私には理解できないのです。おそらく司馬遷もそれらのことで、「書けない」と思ったのではないでしょうか。
 これで私の書いてきた司馬遷『史記五帝本紀』は終わります。
 明日からは、人間の歴史である『夏本紀』になります。ただし、最初の帝の禹(う)も不思儀さを秘めている人ですよ。