どうしてもこの回を読んで、私は涙でいっぱいになってしまいました。
しづゑとお勢は新的矢六兵衛の二人の息子に会うのです。この挿絵がその弟のほうです。
何ごとかを言おうとして、兄は眶(まぶち)に涙をためてしまった。
最後に次のようにあります。これはしづゑとお勢二人の気持でしょう。
「何やらまたわからなくなりました」
手紙を読むと、お勢はむせびながら言うた。笑うたり、泣いたり、何と忙しい一日であるう。
「お父上様」という拙い文字を見ただけで、しづゑの胸も詰まってしもうた。
こうして見ると、この新的矢六兵衛は二人の男の子にもものすごく慕われる父親のようです。私は誤解していたようです。この新六兵衛はいい父親なのでしょう。
前の的矢六兵衛は女房ともどもいい奴だとはいえないようでした。でもこの新六兵衛は妻にも息子にも慕われているいい父親なのです。
私は自分の頭の回転を信用できなくなりました。
幕府も新政府も時代も歴史もいけないのだよな。こんな六兵衛が元気で生きていってほしいのが当たり前の日本ではないのか。
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