1303110113031102 的矢六兵衛は大変なことになってしまいました。大村益次郎と福地源一郎が辻井良軒という医師を連れてきます。なにしろ六兵衛はここでもう約半年ほど、座りぱなしなのです。

 やがて畳廊下を摺る大勢の足音が近付いてきた。どうやら大ごとになってしもうたらしい。

 辻井良軒の見立てですと、米の飯ばかり食うてきたのに、突如鰻の蒲焼を食べたことが原因であるようです。

「六兵衛さん、あなたがどこの誰で、何のためにこうしているのかは知りませんが、死んだら元も子もありますまい」
13030912 大村の懸命の説得にも、六兵衛は耳を貸さぬ。

 どうか六兵衛がこの医師の言うことを聞いてほしいです。それがとても大事なのです。二人の子ども、妻の顔を思い出してほしいです。