1304060113040602  今までこの小説では幾多の歴史上の実在の人物が出てきました。今度は明治天皇が六兵衛に会うというのです。その前に福地源一郎のことも書いてあります。彼の新聞が今も続いていたら、朝日・読売・日経どころか、グーグルにも負けない情報提供者になっていたように私は思うのですが、それはどうでしょうか。

 伝馬町の牢屋敷に繋がれている間、源一郎は悔やしゅうてならなかった。「何が御一新か。新政府の正体は徳川幕府が薩長幕府に入れ替わったのみ」という論説の、どこが罪だというのであろう。

 この思いは正しいのです。だが正しいからこそ政権維持者には危険としか思えない言動なのです。

「ごめん」と、入側から声がかかり、田島小源太が青ざめた顔を覗かせた。
「一大事にございます。ただいま天朝様におかせられては、どうにもおむずかりあそ13040408ばされ、奥御殿より御黒書院にご出御なされます」

 いよいよ、この作品でも明治天皇まで巻き込むのか。すごい作品だなあ。もう江戸幕府の話ではなくなったなあという思いです。もはや日本国の話なのです。
 さて、そうなるのかなあ。的矢六兵衛はどうするのかなあ。