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280 来て見れば夕(ゆふべ)の桜実となりぬ(安永四・四・一二)

 円位上人の所領にもそむきたる身の、いとかなしきさま也
281 実ざくらや死(しに)のこりたる菴(あん)の主(安永四・四・一二)

282 しのゝめや雲見えなくに蓼(たで)の雨(安永六・五・一〇)

283 砂川や或(あるい)は蓼(たで)を流れ越す(明和八前)

284 蓼の葉を此君(このきみ)と申せ雀鮨(安永六)
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 281の円位上人とは西行のことです。西行はあの時代に鎌倉まで行きまして、源頼朝と会っています。自分の幼い息子(まだ4歳でした)を縁側からけり落とした西行を思います。みんな知られていたエピソードだったのでしょうね。彼の「願はくは花の下にて春死なんそのきさらぎの望月のころ」との歌を思い起します。それに高杉晋作が「西行」が好きで彼自身を「東行(とうぎょう)」と号したことを思います。
 画像は吉野山にある西行庵です。西行の俗名は佐藤義清(さとうのりきよ)です。頼朝からもらった純銀の猫を出てそこにいた子どもにそのままあげたといいます。15061804
 284の句も私には味わい深いです。