この『浅丘ルリ子の「私の履歴書」』は１ケ月毎日連載されるから、全部で３、４回書くことになるだろうと予想していました。しかし、今日のを読んだときに、そうはいかないことが分かりました。
日活に限らず、映画会社のスター俳優たちには“悪習”があった。どういうわけか集合時間に必ず遅れてくるのだ。「売れっ子は人を待たせて当然。その方が格好がいい」。そう信じていたようだ。
そしてその例として勝新太郎と高橋英樹のことを書いてあります。高橋英樹さんは一度遅刻してきたときに注意すると、直立不動でルリ子さんの警告を聞いています。その模様は以下のようです。
「ねえ英樹。あんたさ。他人をこれだけ待たせておいて何様だと思ってんのよ」
「……。本当に申し訳ありません。勘弁してください。もう絶対に遅刻しません」
英樹さんは深々と頭を下げて何度も謝った。これがよほど懲りたのだろう。本人によるとそれ以降、仕事で遅刻をしたことはないそうだ。
高橋英樹さんは「あのときは怖かった。寝食ともにお世話になっていたし、厳しいしつけまでしてもらって本当に感謝してます」と言ってもうひたすら怖い正しいルリ子さんに謝るのです。ルリ子さんはこういっています。「英樹さんは当時を思い出しながら今でも頭を下げてくれる。こちらが恐縮してしまうくらい。義理堅くていつまでもかわいい私の弟分なのだ。」
ところが問題は勝新太郎なのです。実は私は赤坂の大きな飲食店でこの勝新太郎の身内を見ています。もうその横暴さにはあきれたものです。店が出入り禁止にすればいいものを実にほかの客には、嫌になります（もうその店はつぶれましたが）。ＴＢＳの関係でタレントさんも来ていて、いい雰囲気の店だったのですがね。
私は一度この店に行っただけだと思っていましたが、そうではなく、何回もほかのタレントさんも見ていたものでした。
思えば、ここの店でのほかのタレントさんのことも実によく思い出します。
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