先週、ある方とホームページの作成について語ることがありました。その相手の方は、自社のホームページを、「本当はもっとお金が使えれば、有名なデザイナーに頼めるから、いいホームページが出来て、もっとアクセスが増えるのに」というように思っているようでした。かつ、そのようなデザイナーを直接知っているが、頼むわけにはいかないということで、残念なようでした。
私は、この今の時点でも、そんな風に思う人がいることに少々驚いたのです。私はもう何年も前から、
もうホームページといったら、デザインではなくて、コンテン
ツの充実と更新することだよ
と言い続けています。もうそれが、誰もが当りまえに認識できていることだと思っていましたが、そうでない人や会社も今もあるものなのですね。
もちろん、私はホームページのデザインも大事だと思っていますが、まず自分のホームページのアクセスを増やすためには、上記のことが一番大事なことだと確信しています。
私がよく見ていまして、かつ人にも見ることを薦めていますホームページの一つに以下のサイトがあります。
ＳＣＡＰＡ（現在のこのサイトはもう別な方がやっています）
このサイトは今年９月１日に開設したホームページです。つい先日、ここのサイトの掲示板で、次のようなことが書かれていました。
本日、正確には昨夜ですが、このHPについてのご意見のメールをいただきました。「こんなダサいHPは見れない。せっかくのSCAPAのイメージが壊れる。プロに作ってもらったらいいのに。もしプロの人がつくっているならごめんなさい。」という内容のものでした。
私は驚きました。「素敵なホームページだな」と思っていたのに、それを「ダサい」と言ってしまう人がいるんですね。おそらく「ちゃんとしたウェブデザイナーが作ればいいのに」ということなんでしょうが、「今どき、何を言っているんだ、何にも判っちゃいないんだな」としか思わないのです。
このことに関して私は「何言っているの、ホームページはもうコンテンツの充実だよ」と、ここの掲示板に書込みましたが、ここでは、このＳＣＡＰＡのホームページを作成しているウーロンさんの言われることを紹介しましょう。
私は、ＳＣＡＰＡの服というのは、服としては未完成なものだと思っています。着る人がいないと、ＳＣＡＰＡの服は完全にはなりません。ＳＣＡＰＡの服の空洞部分を埋めて、より光らせてくださるのは、着てくださるお客様、一人一人の個性なんです。今流行りのデザインものの服などですと、誰が着てもあまり変わり映えしないように見えます。でも、ＳＣＡＰＡの服は着る人によって全く違うものになります。お客様に着ていただかないと、私達もＳＣＡＰＡの本当の良さ、というものがわからない時もあります。
そんな服だからこそ、生身の人間が着ているところを一人でも多くの方に見て欲しい、綺麗なモデルさんでなくても、その人なりにその人らしく着こなせることを知っていただきたい、そんな気持ちで写真を撮ってネットに載せています。だからこそメールマガジンで色の話なんかを書いているのです。こんな色の組み合わせをしてみたいな、というイメージを持っていただいて、ＳＣＡＰＡの服で着こなしを遊んでいただきたいからです。
このウーロンさんの言われることが、私の身体に染み渡るように判ります。私の脳髄ではなく、食道から胃腸までにいきわたるような感じです。
たくさんの女性たちは、スタイルのいいモデルさんたちが着る素敵な服を見たとしても、感激のため息はつくでしょうが、そのため息は、同時に「でも、モデルさんと私は違うからなあ」というものでもあるように思います。それが、ここのホームページでは、このSCAPA Shopで実際に働いている店員の４名の方が、このＳＣＡＰＡの服を着て見せてくれています。
私は、とてもこの彼女たちが実際のモデルになっているページを見るのが大好きです。私は男性であり、そもそも女性の服には興味がありません。でも、こうして「着る人がいないと、ＳＣＡＰＡの服は完全にはなりません。ＳＣＡＰＡの服の空洞部分を埋めて、より光らせてくださるのは、着てくださるお客様、一人一人の個性なんです」というコンセプトには、感心し、そして、「これは何もアパレルに限らないことだよなあ」と思って、私の他のクライアントにも、このホームページを見せながら解説してしまっているのです。
どうか、このホームページを見てください、そしてできたら、こうしたホームページを、誰もがぜひ自分でも作ってほしいななんて私は思っています。
