12101404 これの第1巻を読んだときに、久し振りに愉しい漫画を読んだという思いでした。

書 名 おたんこナース全6巻
著 者 佐々木倫子
原案・取材 小林光恵
発行所 小学館

 新人の看護婦の物語です。この主人公のナースのことが読んでいる人は誰でもが好きになってしまうと思います。
 1巻で、尿瓶の匂いを嗅いでいる彼女の懸命な姿がいい。もっともっていろいろといいところがたくさんあります。

 3巻を読んだときは、1、2巻を読んだときよりも、なんだか迫力が薄らいだ感じを持ちました。読み終わった途端、私は子どもたちに言いました。

   これは漫画というより、小説なんだね

 ひとつひとつのお話を読んでいると、宮部みゆきや北村薫の短編ミステリを読んでいるときのような優しい気持になってきます。淡々と過ぎていく病院の生活の中で、それこそたくさんのさまざまな人生と出来事が起きていくのが、それこそ淡々と描かれていきます。これが迫力がなくなったと、私が感じるところなのでしょうか。いや、むしろ私もこの物語の熱心な読者になってしまい、そのまま素直に自然にこの話を受け入れてしまっているのかもしれません。
 でも、やはりこの主人公のナースの似鳥ユキエさんがいいな。好きになれます。生まれが茨城県になっているから、私は苗字からきっと筑波山の裏手あたりの出身かななんて想像してしまいます。彼女の寮生活の回想では、母親は彼女に乾燥芋を送ってきます。実は、あんなのを送られたって、故郷を思い出したくもないだろうな、なんて茨城生まれの私は思ってしまいます。
12101405 この3巻では、お医者さんとのからみはなく、すべて患者さんとのお話です。病院というのは、考えてみれば医者よりも看護婦さんとつき合う時間のほうが多いよなと私は思います。だからけっこう医者からではなく、看護婦さんから見た患者さんの姿というのは、けっこう大切な観点であり、面白い世界が展開されているのではと想像します。そんな視点をよく、この漫画では描けているのではないかなとに思いました。

 4巻では、似鳥ユキエの父方の祖母が亡くなり、その葬儀の模様が描かれています。似鳥ユキエの故郷は茨城県の筑波山の裏のあたりではないかと推測しますが、そこでは葬式がかなり私たちが接するものと違います。まずいまでも火葬はせず、土葬だということなのです。数々の変わった風習があって、ユキエはいろいろとこっけいに失敗してしまいます。
 でもこれでユキエは人の死が悲しいことばかりではないということを知ります。病院でいつも「死」に接せざるを得ない看護婦のユキエにはいい経験になったようです。
 なんとなく笑うシーンより涙ぐんでしまうような場面の多い巻でした。

12101406 私はこの漫画は、ある会社の女性社員から借りて読んでいるのですが、まずはその会社の社長宅へ行っているそうです。私のところだと、私の一家4人だけではなく、兄嫁とか姪のところも回るために、まずはその社長を優先するのです。こうしてあちこちでみな読んでいるのです。(2004.03.29)