千載一遇の大チャンス
千載一遇の大チャンス
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 私が本を読むのは、ほぼ電車の中だけなのですが、この本は、ついついパソコンを打ちながらも、結局すべて最後まで読んでしまっていたものでした。

書 名 千載一遇の大チャンス
       日本の絶好機
著 者 長谷川慶太郎
発 行 講談社インターナショナル社
定 価 1,600円+税
発行日 2008年12月29日第1刷発行
読了日 2008年12月23日

 最初に、著者紹介と目次を抜き出します。

長谷川慶太郎───はせがわけいたろう
1927年京都生まれ。1953年大阪大学工学部卒。新聞記者、雑誌編集者、証券アナリストを経て、1963年独立。最先端の技術を踏まえた「現場」から見る独特の経済分析と先見力に定評がある。1983年『世界が日本を見倣う日』(東洋経済新報社)で第3回石橋湛山賞受賞。1986年に出版した『日本はこう変わる』(徳間書店)で大きく転換発展する日本経済を描き大ベストセラーになる。近著に『2009年長谷川慶太郎の大局を読む』(李白社)、『中国大乱を乗り切る日本の針路』(ベストセラーズ)、『日本は「環境力」で勝つ』(東洋経済新報社)、『大統領が変わると日本はどこまで変わるか?』(ソニー・マガジンズ)

目次
まえがき
第一章 日本は今、千載一遇の大チャンス
 第一節  どうして日本は「金融危機」を避けられたのか
    金融危機で大損害を被った資産家たち
    日本の金融機関が先進国で唯一無傷ですんだ理由
    金融行政当局は「危機対策」の運営に熟達
    世界の金融ブローカーは日本を避けた
    「小泉・竹中路線」がもたらした意外な効果
    なぜ日本で「円高」「株安」が同時発生したか
    「日本株」はかならず買い直される
 第二節  世界に先んじて「バブルの崩壊」を克服した日本
    日本は世界で最初に「デフレ」を経験した
    竹下登元首相と小沢一郎氏との極秘会談
    金融サミットで存在感を示した日本
 第三節  日本の製造業の「技術力」はどこから来るのか
    「原油戦争」「穀物戦争」という言葉に踊らされるな
    石油ショックを契機に技術革新に邁進した日本
    世界最大の特許輸出国となるまで
    トヨタとGMに代表される日米間の競争力格差
    官僚制度を打破することが経済成長のカギ
    米国の政治の強みと小泉改革の意味
    企業経営者にのしかかる重い負担
 第四節  世界最大の機械工業を持つ日本の底力
    日本の工作機械工業は圧倒的シェアを誇る
    世界一の「耐久性」を持つ建設機械
    鉄骨を使わずに超高層ビルを建設する
    原子力発電所の建設能力も際立つ日本
    環境保全産業でますます高まるニーズ
第二章 米国主導体制はゆるがない
 第一節 「余裕資金」はなぜ生まれたか
    デフレは今世紀の世界経済の基調
    金融危機の前提である「バブル」は避けられない
    海底電線で実現した金融市場の国際化
    大規模はインフラ整備に活用された余裕資金
    余裕資金は経済活動の産物
 第二節  自由経済は必然的に「行き過ぎ」を生む
    「金融商品」の開発と高度化
    格付け会社の機能的な運営が求められる
    商品経済の原則と先物取引のシステム
    金融危機の主役「投資銀行」とは何か
    米ドルの威力が示された危機
 第三節 二一世紀も「米国主導の一極支配体制」は続く
    軍事力・経済力・政治力の三本柱
    旧ソ連空軍が米国の強さを思い知った出来事
    カーナビなどを生み出した軍事技術
    米軍の技術水準は他国の追随を許さない
    なぜ二一世紀に戦争が起こり得ないか
    北朝鮮とて米軍に戦争は挑めない
    戦争はつねに「強い軍隊」が勝つ
第三章 金融危機は不均衡を生む
 第一節 金融市場の「国際化」で被害が拡散した
    発信国の米国にとどまらない被害
    欧州の金融業界は機能停止に陥った
    国際通貨基金(IMF)に殺到した中小国
    IMFの機能強化が経済危機を防ぐカギ
 第二節 新興国への打撃は国をゆるがす
    新興国は自立した金融市場を持たない
    大規模な公共事業投資を打ち出した中国
    ロシアは「ルーブル危機」再来か
    ブラジルの「鉄鉱石ブーム」は終わった
    インドで先送りされた大型計画
 第三節  経済活動全体が危機に陥っている
    冷え込む米国の個人消費
    欧州を襲った「住宅バブル」の崩壊
    金融危機は「本格的不況」の序章に過ぎない
 第四節  国際機関の役割
    「危機対策機関」としてのIMF
    国際協調体制をいかに確立するか
第四章 これからの世界経済を想定する
 第一節 成長力はどこから来るか
    「余裕資金」は大規模公共事業の原資へ
    航空事業が活況のインドネシアと中国
    公共事業は生活水準の向上に不可欠
    「都市内交通」の整備も大きな課題
 第二節 米ドルが支える世界の経済活動
    経済活動の基盤が国境を越える
    ますます高まっていく「米ドルの威信」
    米ドルを保有しない国には貿易決済ができない
    デフレの進行に伴い競争が激化する流通市場
    人口増は一定の水準で止まる
    二一世紀の経済発展に不可欠はインフラ整備
 第三節 二一世紀は人類に大変明るい時代
    平和が長期間継続する恩恵
    「民族主義」を乗り越えた政治体制を

 まえがきに以下のようにあります。

 本書の執筆を通じて、一段と強く感じたのは、「日本の先進性」である。戦後の日本が急速な経済成長に成功し、同時に日本国民に世界一の長寿を提供できたのは、日本が戦後の半世紀以上、一度も戦争したことのない「平和国家」だったおかげである。昭和憲法の特徴ともいうべき「九条」のもたらした成果である。

 もうここを読み始めたときから、私はもうただただ頷いていたばかりです。そして最後の節の最後には、次のようにあります。

 二一世紀は人類にとって大変明るい時代を意味するけれども、それを確実に実行し、かつまた実現するためには、かなり長い時間と大きな努力が強く求められるだろう。また、その努力を傾注することによって、それを推進している先覚者はもちろんのこと、彼らをサポートし、彼らにたいして援助を提供しているすべての人びとにとって、生きがいのある生活が生まれてくるに違いなし。
 筆者は、二一世紀をこういう時代であると認識し、また判断しているのである。

 実にこの本から、今の私は、たくさんのものをもらった思いです。