12103106 この堯になって、初めてこの『史記五帝本紀』に多くの記述が表れます。おそらく司馬遷は、この堯でたくさんの書くことがあって少しは嬉しかったのではと思われます。
 私には、十八史略の「帝堯陶唐氏は帝コクの子なり」という文が浮かんできます。これは私が書きました曾先之『十八史略』にある文です。だから元の時代に書かれたものであり、この司馬遷の『史記』にある文章ではありません。それにこの『十八史略』では、この五帝の時代の前の三皇を詳しく書いています。
 つまり、この時代になると、いわば歴史を作り上げてしまうわけです。だからつまらない。でもでもこの日本人ではやはりこの『十八史略』から入っていくのでしょう。
 この堯で有名なのは、「禅譲」という言葉ではないでしょうか。この堯は自分の天子としての地位を息子の丹朱に譲らず、舜という普通の人に譲ります。彼が聡明でよく事をやりとげることができたからです。
 この日本では、この天子の地位を他人に譲るということはありえませんでした。でもあえて堯はそれをなしたのです。
 晩年の堯は舜を見て、ものすごく嬉しかったのではないでしょうか。そんな堯の笑顔が見えるような気になります。