2018040301漢詩人大正天皇―その風雅の心
漢詩人大正天皇―その風雅の心
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私は大学の頃から、詩吟を正式に始めまして、その頃からこの大正天皇の詩には親しんできました。
なかでも、この詩人の『遠州洋上作』は、私も実に好きな作品で、私もどこかの機会にどこかの会場で詠ったことがあります。

遠州洋上作 大正天皇
夜駕艨艟過遠州 夜艨艟(もうどう)に駕(が)して、遠州を過ぎ、
満天明月思悠々 満天の明月 思い悠々たり。
何時能遂平生志 何れの時にか能く 平生の志を遂げ、
一躍雄飛五大洲 一躍雄飛せん 五大洲。

この本には、石川忠久さんの訳がすべての詩についています。この詩では以下の通りです。

遠州灘にての作
夜、軍艦に乗って遠州灘を通れば
空には名月が皓々と輝き、思いは広がる
いつか、日頃の念願を果し
世界へ雄飛したいものだ

実に雄大な詩です。
でも私はこの機会に他の詩も覚えていきたい思いです。

書 名 漢詩人大正天皇
−その風雅の心−
著 者 石川忠久
発行所 大修学館書店
定 価 1、600円+税
発行日 2009年12月20
読了日 2010年7月28日

目次
はじめに
小倉山に遊ぶ
“詩人”天皇の誕生
新春偶成
目黒村を過ぐ
三島の手ほどき
田母沢園に遊ぶ
桜花
梅雨
池亭に蓮花を観る
江上に馬を試む
亀井戸
戴叔倫の春怨詩を読む
涼州詞に擬す
老将
巌上の松
晩秋山居
晴軒読書
皇太子の青春
遠州洋上の作
夢に欧州に遊ぶ
欽堂親王の別業を訪う
布引の瀑を観る
三島の駅
三島嘱目
海浜所見
墨堤
夏日 嵐山に遊ぶ
巡啓の中で
千代の松原
箱崎
舞鶴軍港
呉羽山に登る
琵琶湖
新冠牧場
律詩を作る
大谷川にて魚を捕らうるを観る
宇治に遊ぶ
初秋偶成
松島に遊ぶ
葉山即事
偶成
古詩の面白味
皇后の宮 台臨し 男を生むを賀するに謝し奉る
沼津離宮にて皇后陛下に謁す
吾が妃 松露を南邸に采り、之を晩餐に供す、因りて此の作有り
泰宮を鎌倉離宮に訪う
富美宮泰宮両妹を鎌倉離宮に訪う
三月二十日、大崩に遊び雨に遇いて帰る
玉川にて漁を観る
園中即事
時事を詠う
陸軍中佐福島安正の事を聞く
青森聯隊の惨事を聞く
乃木希典の花を惜しむ詞を読みて感有り
日本橋
慰問袋
南洋諸島
海軍の南洋耶爾特島を占領するを聞く
折々のうた
球戯場にて田内侍従酒気を帯ぶ、戯れに此を賦す
戯れに矢沢楽手に示す
階前所見
墨田川
葉山南園にて韓国皇太子と同に梅を観る
明治戊申 将に山口・徳島二県を巡視せんとし、四月四日
東京を発す、韓国皇太子送りて新橋に至る、喜びて賦す
吾が妃草を郊外に摘む、因りて此の作有り
春蔬を採る
女官 土筆を献ず
高松宮に示す
秋夜読書
竹陰読書
秋夜即事
新秋
秋涼
学習院の学生に示す
葉山偶成
詠物と題画
西瓜
梨を詠ず
海を詠ず
木曾の図
農家の図
海上にて鼇を釣るの図
宇治採茶の図
宇治橋蛍を撲つの図
身延山の図
終わりに
大正天皇年譜
御製詩 詩題索引

著者紹介
石川忠久
東京都出身。東京大学文学部中国文学科卒業。同大学院修了。文学博士。現在、二松学舎大学顧問。二松学舎大学・桜美林大学名誉教授。(財)斯文会理事長、全国漢文教育学会会長、全日本漢詩連盟会長。
近年刊行の主な著書に、『日本人の漢詩』(大修館書店、2003年)、『漢詩への招待』(文春文庫、2005年)、『新漢詩の世界CD付』(大修館書店、2006年)、『漢詩の魅力』(ちくま学芸文庫、2006年)、『東海の風雅 日本漢詩の心』(研文出版、2007年)、『漢詩鑑賞辞典』(講談社学術文庫、2009年)などがあるほか、漢詩関係の著書多数。

こうして大正天皇の詩をいくつも知ることができて嬉しいです。しかもそれを書いているのが石川忠久先生です。私は昔から、実に尊敬している方です。
大正天皇の『遠州洋上作』は、いつも國誠会の大森の方で詠われる方がいました。クラシックカメラの収集をされているかたで、でも私から見ていつも極右としか思えない思想の方でした。でも私はその方の詩吟が好きでした。
思えば、私はその方を右翼だと思って、でも好きでしたが、彼は私のことを、「昔全学連、全共闘だったというし…でも話すと何故か俺より国粋的なんだよな」と思っていたことでしょう。
私にはただただ懐かしく感じてしまう詩吟の世界です。

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