1211160612111607  やはりこの小説は面白いです。以下の加倉井隼人の思いがいいです。よく分かるのです。

 何をかくも怖れる、と隼人はすり足で歩みながら考えた。

 そのあとの隼人の思いが、この小説の新的矢六兵衛を適確に表わしています。

12111508 今さら六兵衛が刃傷沙汰に及ぼうはずはなく、子供でもあるまいに物怪に怯えているわけでもなかった。名ばかりの武士に成り果てたおのれ自身が怖いのだ。本多や粟谷は徳川の旗本であり、自分は御三家の陪臣であり、たとえ武士たる者の中身がなくとも、その肩書だけで人を服(まつろ)わせることができた。だがこれから先は、そうした権威が失われるやもしれぬ。ひたすらそれが怖ろしい。
 おそらく御城内に残る侍たちはみな、同じ恐怖を抱いている。・・・・・・。

 うーん、この恐怖にはものすごくうなずきます。
 だが、六兵衛はどこに行ったのでしょうか。
12111601 でも隼人には、あてがあるようです。そしてそのあては、大廊下の御詰席であるようです。「帝鑑の間の次はそこにちがいないと隼人は読んだ」とあります。それが当たっているのでしょうか。
 それはまた明日になります。