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 僕は千葉県のある高校で一度だけおしゃべりに行ったことがあるけれど、子どもが悪いことをするというのでしきりに問題になったときに、どこかの校長さんみたいな人が「子どもに命の大切さを教えなければいけないと思うんですけれど、どうお考えでしょうか」と聞くから「それは遅いですよ。命の重大さを思春期ぐらいになってから教えたって、言うことを聞きませんよ。かえってうるさがって、なぜ人を殺して悪いんだと言うほうがずっと正直な言い方です。そんな時期になってから命の重大さを教えるなんて、そんなので直るわけはないんですよ」と言いました。
 それまでに決っているし、極端に言えば一歳未満の乳児のときと前思春期に子どもをちゃんと育てるということに心を配ったら、一生そういうことはないはずです。
(「よせやぃ。」『自意識について───第三回座談会』)

 これは吉本さんが前々から言われていることである。だから、私は自分の娘を育てるときに、このことを一番考えていました。そしてまた孫のときにも同じように気を配っています。必ずいい結果になれるはずです。だが逆に、「この大事な時期に、なんであんなふうに子どもを育ててしまうのだろう」と思ってしまう親もいるものなのです。自分の子どもになにをしてしまっているのだろうか、私はいつもそういう光景を見ると、とても残念なのです。

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