1301010613010107  私は昨日「妻のいうことが正解ではないのか」と言いました。だがもちろん、これは的矢六兵衛のことです。だが、加倉井隼人のいう「六兵衛は先の将軍慶喜ではないか」という思いには同意のようです。これは納得できないな。ただし、それは私がその後の慶喜の姿を知識として知っているからでしょう。
 妻の話が続きます。

 何と、的矢六兵衛の正体は前(さき)の将軍家その人にちがいないと申されますのか。上様は上野のお山の大慈院にこもられて、ひたすら恭順と見せかけ、実は御書院番士にすりかわっておいでだと。

 うーん、これは即座に否定してくれると思いましたが、妻も同じに思うようです。

 ああ、きっとそうですわ。すりかわった的矢六兵衛もすてきでございますが、その六兵衛様にすりかわった上様は、もっとすてきでございます。

 そうか、この奥さんもこういうのか。そもそも私は慶喜は少しも好きではありませんから、こんな慶喜であっても嫌いです。そもそもこ13010102んな冒険のできる人間ではありません。 しかし、この奥さんがいうと、私も少しはそうなのかと思ってしまいます。どう否定の言葉、事実が提示されるのでしょうか。それはもう誰か他の人の言を待つしかないでしょう。