将門Web

周が日々仕事であちこち歩いたり、友人や家族と話した中で感じたことを発信しています。

Tag:御手洗潔

10122807書名  斜め屋敷の犯罪
発行所 光文社文庫
定価  560円
発行年月1982/11

  著者が2番目に書いた作品です。これも御手洗潔が事件を解決します。と同時に「北の夕鶴2/3の殺人」「寝台特急『はやぶさ』1/60秒の壁」で吉敷竹史の脇役として活躍する札幌署の牛越佐武郎刑事が、この事件の担当の刑事として登場します。また彼は刑事でもない御手洗潔をこの事件解決に引き出してくる役回りでもあるといえるかと思います。

 日本の最北端、北海道宗谷岬のはずれのオホーツク海を見下ろす高台に、土地の人が「斜め屋敷」と呼んでいる斜めに傾けて建てられた西洋館があります。この館の主人がクリスマスに客を招待してパーティを開くますが、その夜に密室殺人が起きます。牛越刑事たちがかけつけますが、彼らの前でまた第2の密室殺人が起きます。そしてまだ起きそうなのです。そこで東京の中村刑事(あとでまた紹介する「死者が飲む水」の捜査で牛越が知り合う警視庁の刑事)の紹介で、名探偵御手洗潔が石岡と一緒にやってくることになります。
 しかしやってきた御手洗は風変りな頼りにならないような男です……。この事件の背景には戦前からの戦争に関わる怨念があります。とにかく御手洗潔の活躍には感心します。日本の他の名探偵とはまた一味も二味も違った探偵です。

 デビュー作の「占星術殺人事件」が、あまりに多くのものをつめこみすぎで、ときにはこんなもの余計じゃないかななんて思わせるのに対して、この作品は冗長なところを避け、ひたすら密室殺人の推理のみというところがあり、第一作よりは読みやすいかと思いました。(1988.11.01)

10122806書名  占星術殺人事件
発行所 光文社文庫
発行年月1981/12

  御手洗潔という風変りな星占いが事件を解決します。彼のそばには石岡和己という人物もいます。ちょうどシャーロック・ホームズとワトソン博士との間柄の二人です。
 しかしこれはもう現代推理の古典といえるような小説です。この作品がこの作家のデビュー作です。
  昭和一一年二月二六日東京で殺人事件がおきます。そうです二・二六事件のあった日です。当時五〇歳の梅沢平吉という男が殺されました。それから約一カ月後、彼の長女が殺され、さらのその後、彼の残る四人の娘と弟の二人の娘が殺されます。そして、この六人の娘の死体はバラバラにされ、北は青森小坂鉱山から、南は兵庫生野鉱山まで1人ずつ埋められています。この平吉に小説の形をとった遺言書が残されています。星座に従い六人の女の肉体から必要な部分を切取り、完全な女を合成するという内容です。では犯人は平吉で生きているのでしょうか。

 実にこの猟奇殺人事件の起きたときから約四〇年余、日本中のあらゆる人が、この事件の謎をとき、犯人を見つけようとしますが、誰も解けません。それを昭和五四年に当時三〇歳の若い御手洗潔が解決します。実にこの御手洗は私と同じ昭和二三年生まれです(作者も)。
 この小説では読者にも謎解きを迫ってきます。

  <第一の挑戦状>
 (略)
  <私は読者に挑戦する>
  今さら言うまでもないが、読者はすでに完璧以上の材料を得ている。
 また謎を解く鍵が、非常にあからさまな形で鼻先に突きつけられてい
 ることをお忘れなく。                     島田荘司

 私は解けませんでした。少々難解すぎるのです。それとはっきりいって、なかなか読みにくい小説です。かなり丁寧に読んでいかないと、事件を解明できません。
 そのほか主役御手洗潔がシャーロックホームズの熱心なファンであることが分かります(これは作者がということでしょう)。

 「ああ! あのホラ吹きで、無教養で、コカイン中毒の妄想で、現実
 と幻想の区別がつかなくなっている愛敬のかたまりみたいなイギリス
 人か」

などと御手洗潔に言わせています。この風変りな星占いである御手洗はシャーロックホームズと同じような何か病的な探偵なのです。すぐそばには常識人ワトソンである、石岡君もいるわけです。
 ともあれ、かなり読みごたえのある推理小説ですが、これが発表されたときは、かなり面くらった人が多かったことだろうと思いました。(1988.11.01)

 この「週刊アスキー」での「ハニカム」は、このWikipediaで見ますと、鐘成律子さんの他の人物は、以下の通りです。

9c34068f.jpg御手洗 勉(みたらい つとむ)
湧水 萌(ゆうすい めぐみ)
音節 舞(おとふし まい)
米斗 王里(よねと おうり)
守時 規子(もりとき のりこ)
妙子(たえこ)
糸丑 治五郎(いとうし じごろう)

 これを読む限り、実に変わった姓名の方ばかりですね。御手洗は、当然に島田荘司の小説に出てくる探偵の「御手洗潔」を思い出します。
 でも、こうして物語の中身を知ることができて嬉しいです。

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 私が「この作家は全作品を読むぞ」と決意した作家は何人もいます。この島田荘司もそのうちの一人です。
 それで、私はこの著者の作品は文庫本になったものはすべて読んでいます。だから、このページももっと書評を書き進まなければいけないはずなのです。それが進んでいないのです。そこわけを少しここに書きます。
 いくつもの本は少しは書評を書いてあるのですが、どうもUPするまで気持が至りません。

 私はこの著者の描く二人の探偵のうち、吉敷竹史は好きなのですが、御手洗潔がどうしても好きになれません。それでも初期の作品は面白く読んできました。だが、「暗闇坂の人喰いの木」で、疑問が少しわいてきました。それが「水晶のピラミッド」のどうみても、変な実験(ピラミッドの模型で、水を吸い上げるやつ)で、「こんなの俺なら、『それおかしいよ』ってその場で指摘するよ」という思いになりました。さらに「眩暈」に至って呆れ果て、さらに「アトポス」でほとほと嫌になりました。
「アトポス」ってアトピー性皮膚炎のことですよね。私の周りには、たくさんの子どもたちが、アトピーには苦しんでいます。実は大人になっても治らない人がたくさんいます。あの小説は、それらの人にそのまま偏見を抱かせるだけじゃないですか。それから、これらの御手洗の小説群は(上の4つ)はどうしてあんなに長いの。無駄な記述が多すぎるんじゃないの。
 それからさらに、島田さんは、その後「冤罪」解明の道にひたすら行き着きまして、これまた私は不満なのです。
 そうですね、あと少し文句を言うと、「龍臥亭事件」を経て、どうしてか、御手洗と吉敷がいつか出会うのかななんて思いました。「龍臥亭事件」では石岡和巳が加納通子と出会ったわけです。御手洗と吉敷が出会うと思うと、それは嬉しくて興奮します。でも、少し文句なんですが、加納通子さんというのは、最初の「北の夕鶴2/3の殺人」でも「羽衣伝説の記憶」でも、和服の似合う小柄な(たしか身長156センチ)色白の女性ではないですか。でも「龍臥亭事件」では、小麦色したインド風美人の顔をした女性になっているんですね。なんだか私は納得できないんですよ。
 ただ、とにかく私はまだまだ読んでいきますから、この書評もまた書いていきます。とにかく全作品を書いてまいります。(2003.07.28)

   http://shomon.net/books/simada.htm  周の書評(島田荘司篇)

 この作家も全作品を読もうと思っている方なのですが、近ごろちゃんと読んでいません。なんだか文庫本はすべて読んできたのですが、あまりに多いので家に置いておくのも大変なので、誰かにあげたりしているうちに、訳が判らなくなりました。だから、こうして自分のホームページに、この部屋を置いて、なんらかのことを書いておこうと思ってきたわけですが、もうこのごろは、それもできていませんね。
 これからはもう図書館に利用で、とにかくこの作家も総て読んでいきます。図書館でも全部揃っているとは判らないことですが、なあに、東京中の図書館を簡単に利用できるのですから、あとは私が読むだけですよ。

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