13022312  この朱熹はいつも「少年易老学難成」で知っている詩人です。でも近頃はこの「朱熹『偶成』」が朱熹(朱子)の作ではなく、日本人が作ったのではないかと言われているらしく(朱熹の詩文集にはないらしいのです)、私はものすごく驚いています。私は中三のときに、この七言絶句を全文黒板に書いて、詩を吟じたものでした。さすが私の担任の先生は、ちゃんと知っておいでになりました。
 その朱熹の詩です。

  酔下祝融峰(註1)  酔うて祝融峰を下だる 
                               朱熹
 我来萬里駕長風 我来って万里長風に駕す、
 絶壑層雲許盪胸 絶壑(註2)層雲(註3) 許(か)くも胸を盪(ゆるが)す。
 濁酒三杯豪気発 濁酒三杯 豪気発し、
 朗吟飛下祝融峰 朗吟して飛び下(お)りる祝融峰

 (註1)祝融峰(しゅくゆうほう) 中国湖南省衡山(こうざん)の最高峰。
 (註2)絶壑(ぜつがく) 切り立った谷
 (註3)層雲(そううん) 幾重にもかさなった雲

  とても遠くから私は来た、
  切り立った谷に湧く雲を見ると、このように胸が浮き立つ。
  濁酒を三杯飲んで、豪快な気持になる、
  詩を吟じながら飛びくだる祝融峰

 いつも思うのですが、中国の詩人たちは結構飲んで詩を作りますね。私も酒はよく飲むわけですが、こうして詩を作ることなんか想像も付きません。「平仄とか韻はどうするんだ」なんて思うわけですが、私のように「詩韻含英異同弁」やインターネットをいつも見るわけじゃないんだ。中国人ですものね。