11020502 吉本ばなな(現在は「よしもとばなな」です)がアメリカでも読まれているという。以前村上春樹や村上龍も読まれたみたいですが、その比ではないようです。以下その記事です。

「キッチン」米でも人気 ばなな旋風、増刷中
                93.01.29  夕刊 10頁
【ニューヨーク28日=共同】米国で今月中旬から発売された吉本ばななの代表作「キッチン」がベストセラーとなっている。キッチンは日本では二百万部近くが読まれたほか、既にイタリアでもロングセラーになっている。英訳本の編集者は「若者の喪失感、愛の力の大事さといった主題が米国の若者にも訴えた」と話している。
 米国では発売と同時に、各地の一流紙が一斉に書評で取り上げた。街頭の宣伝ポスターや新聞広告も手伝って、サンフランシスコ・クロニクル紙調査のベストセラーには先週、いきなり十一位で初登場、二十八日まとまった今週の集計では八位に入った。
 ニューヨークの各大型書店では売り切れに近い状態で、出版元のグローブ・プレス社は初版四万部に加え、四万部を増刷中という。
 米国では、日本の作家としては谷崎潤一郎、三島由紀夫、川端康成、安部公房らがよく知られており、若い作家が広く読まれるのは、四年前「羊をめぐる冒険」がヒットした村上春樹以来のこと。朝日新聞社

 谷崎、三島、川端の場合は、「日本」ということがあったと思う。東洋の中の、中国とはまた違う文化をもった日本、その「日本」とやらをなにか象徴する作家たち。
 両村上の場合はどうなのだろう。吉本(吉本隆明)さんの文芸公演だとかならずこの二人の作品に触れられる。それでそれが不満な聴衆もいる。「何故吉本さんが村上(どっちにしても)いいというのだ」と。中上健次がそうだった。でも別にそれは相対的なものなのだ。例えば、現在の大江健三郎と比べれば、それは確かに村上の方が上だと思います。
 ではばななはどうなのだろう。吉本さんは「親馬鹿」になっちゃうのか、ばななの作品を批評しません。でもあるインタビューで言っていました。ばななの「うたかた」なんかまあ55点だって。……そうなると、村上は何点になるのかな。今の大江なんかマイナスになっちゃうかな。
 やはり確実に時代がかわっているのだと思います。やはりばななはいいと私は思います。日本を代表できる作家になりえていると考えます。嬉しいことです。(1993.02.15)