将門Web

周が日々仕事であちこち歩いたり、友人や家族と話した中で感じたことを発信しています。

Tag:漆黒の霧の中で

12103023 伊之助が腕のいい岡っ引きだったことは、八丁堀の同心ならよく覚えています。それでどうしても、彼に事件をみてほしいという依頼がきます。伊之助は職場では前歴を隠していますから困ってしまいます。また死んだ女房とのことで岡っ引きという仕事は嫌で堪らないのです。でもまた伊之助は探偵の仕事はやはり好きなのです。したがってやはり深みにはまっていきます。また八丁堀の同心も現役の岡っ引きたちも、そんな伊之助に頼っていくのです。

 ある朝あがった不審な水死体の身元を探ってほしいとの依頼があります。現役の岡っ引きたちでは、伊之助のようにきめ細かく執拗な探索はできないのです。しかし調べていけばいくほどますます謎が浮んできます。

 これも見事伊之助がこの謎を解き明かします。

書 名 藤沢周平全集第十一巻『彫師伊之助捕物覚え』
著 者 藤沢周平
発行所 文芸春秋社

 藤沢周平の捕物小説です。以下の3篇が収録されています。

消えた女(彫師伊之助捕物覚え)(「赤旗日曜版」昭和53年1月〜10月)
漆黒の霧の中で( 〃 )(「小説新潮スペシャル」昭和56年冬号〜昭和57年秋号)ささやく河(〃)(東京新聞」ほか5紙、昭和59年8月1日〜昭和60年3月30日)

12103019 この3篇とも捕物帳としては珍しいほどの長編です。そして岡本綺堂「半七捕物帳」や野村胡堂「銭形平次捕物控」の主人公と違って、主人公伊之助は十手をもつ同心でも岡っ引きでもありません。毎日版木を彫る通い職人です。むかし十手をあずかっていたということがありました。しかしそのときの女房おすみが男をつくって逃げ、その男と一緒に心中してしまいました。おすみは岡っ引きという仕事を心から恐れ嫌っていたのです。そのことで伊之助は岡っ引きを辞めました。そしてそのことが今も伊之助の心には大きな傷あとを残しています。
 この伊之助は岡っ引きとしてはかなり優秀だったの12103020です。だから昔の同心から、どうしてもいろいろ手伝ってほしいという依頼がはいります。彼はなんとかことわりたいのですが、どうしてか結局はそれぞれの事件に深く関わってしまいます。

 以下3つの作品を書いて行きます。これは1991年の1月に読んでいたものです。

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