11081505    Friday, July 02, 2004 7:48 PM
くだらない疑問いろいろ MM

 原発ではなくアルコール駆動なさってたんですね。
 それにしても古今東西の戦いをすべてインプットされてるんですね。ロンメル将軍の戦車軍団とか、ベトナム戦争の戦闘ヘリ部隊なんてのも守備範囲なんでしょうか。近代戦まで守備範囲にはいっていたらもはや戦争マニアといわれますよ。
 こんなに騎馬戦の記録があるとはちっとも知りませんでした。しかしこれらは一次資料でおいそれとは手がでません。私が読むのはこれらを読んだ作家がそれを料理してくれた小説ばかりですから。しかも文庫にかぎる。ローマ軍の記録はローマ帝国衰亡史ですか。それくらいならそのうち手に取る機会があるかもしれない。
 たいへんな物知りでいらっしゃるから、この際疑問に思っていたことを聞いてしまおう。ただしくだらないことばかりです。私の知性は高校程度でとまっています。
 張飛や関羽や現代のシュワルツネッガーみたいなひとが五十人ぐらいの敵に囲まれたとして、そのうち十人から二十人ぐらいを切り倒して包囲を突破することは本当に可能なのかどうか。
 ブルースリーのカンフー映画の掛け声はあの人だけのものなのか。

 日本人の作る漢詩は四声がわからずにつくっているので中国人が読むとへたくそに感じるというには本当ですか。

 ローマ軍団が何とかの谷で剽悍な山岳少数民族に大敗したというエピソードがあったと思うんですがなんの谷でしたっけ。

 最近本屋で銀河英雄伝説の田中芳樹が中国文学にも造詣が深く中国の時代小説をたくさん書いてることを発見しました。ちょっと以外で驚きました。花木蘭の話をベースにした 風よ万里を駆けよ というのを買ってみたらけっこう佳品でした。一人で圧倒的多数に討ち入って討ち死にするというシーンが三つばかりあるんですが、迫力があります。麦鉄杖という人の話がおもしろかったんです。隋書に記録があるそうですが、やはりこういうふうに料理してもらわないとちょっと普通人の口にはあいません。この中では戦闘時の掛け声を 殺
 としてるんです。シャアというふりがなつきです。これがかっこいいんです。ところで中国語で書かれたこういった時代物ではこういうふうにかいてあるんでしょうか。それを踏襲したのか、それとも著者のオリジナルでしょうか。MM

   Saturday, July 03, 2004 9:40 AM
Re: くだらない疑問いろいろ

原発ではなくアルコール駆動なさってたんですね。

 そうですね。毎日悲惨に腹いっぱい飲んでいます。

それにしても古今東西の戦いをすべてインプットされてるんですね。ロンメル将軍の戦車軍団とか、ベトナム戦争の戦闘ヘリ部隊なんてのも守備範囲なんでしょうか。

 そんなことはありませんが、そういえば昨夜は、ある会社の女性相手に、飲み屋で「トロイア戦争」の話を詳しくしていました。たとえばね、

  ヘレネは、実はもっと少女にときに誘拐されたことがあるんだ
  よ。相手はアテナイの英雄テーセウスなんだけれど、結局救われ
  て、彼女はスパルタのメネラーオスと結婚するんだが、そのとき
  テーセウスの母親のアイトレーをそのまま拉致していく。そして、
  なんとパリスがヘレネを誘惑してトロイアに連れていくときに、
  このテーセウスの母親もまた連れて行き、また監禁する。そして
  トロイアが滅びるときに、その混乱の中で、この年老いたアイト
  レーと、テーセウスの息子が再会するんだ。これは感動だよ。

てなことです。その他いっぱい話したよ。ヘレネは二人姉妹で、姉のクリュタイメストラは、メネラーオスの兄のアガメヌノーン(これがトロイア攻めの総大将になる)に嫁ぐが、このトロイア攻めにあたって、イピゲネイアという娘を生け贄に捧げることになり、それをクリュタイメストラは怨んで、戦争のあと帰国した夫を殺してします。それで、その子どものオレステスとエレクトラが、この母親を殺す。だがそうすると、今度は「母親殺し」ということになって……………。それに、このクリュタイメストラは浮気しているのだが、その相手が夫の従兄のアイギストスというのだが、このアイギストスにも訳があって、………………………あ、以下にも書いています。

  アイスキュロス「オレステイア」

 なんだか、それから飲んでいた2軒目の店が気にいらなかったな。

 そうねえ、ロンメルの「エルアラメインの戦い」なんかよく知るべきだとは思っていますが、私は「戦争マニア」とはいえないですよ。恋愛小説もいろいろと好きですよ。

しかも文庫にかぎる。

 文庫本にたくさんなっていますよ。

ローマ軍の記録はローマ帝国衰亡史ですか。

 ええと、誤解を恐れず言えば、あのギボンのは、「ローマ史」というよりも、東ローマの歴史です。ギリシア・ローマに関しては、たくさんの書物があり、そしてこの日本で翻訳されていますよ。

 実は、このいまの間しばらく家のかたずけをやっていました。もうすぐ防火装置の検査に来るのです。もう我が家は、私の周囲は本雑誌だらけ、そしてベッドの周りは、本だらけと、パソコン関連機器だらけです。私はずっとパソコンを自作していたのですが、自作というのは、5台作ると、あと2台分くらい部品が増えるのです。それでまた作ることになるのです。私は12台作りましたからね。今ずっとしばらく自作しないのは、この「もうかたずけられるかな」という問題なんです。

張飛や関羽や現代のシュワルツネッガーみたいなひとが五十人ぐらいの敵に囲まれたとして、そのうち十人から二十人ぐらいを切り倒して包囲を突破することは本当に可能なのかどうか。

 どうなんでしょうね。ただ、私の先輩で、埼玉大学一ゲバルトが強かったのではないかと思われるTさんが、東大闘争のときに、街頭で、ある女性を抱えて、機動隊の中を駆け抜けたといいます。このTさんは、他でもさまざまなことを聞いています。このとき彼の抱えていた女性が、実は私の彼女になった娘です。私は東大の安田講堂の中にいましたから、このことはずいぶんたってから聞いたことでした。

日本人の作る漢詩は四声がわからずにつくっているので中国人が読むとへたくそに感じるというには本当ですか。

 四声は漢詩の作りとは関係ありません。四声ではなく、平仄が大事なのです。平仄が判らないと、漢詩は作れません。日本の漢詩人は、明確に平仄や韻をふんで漢詩作りをしています。夏目漱石なんか、実にしっかりしていますよ(ただし、彼は毎日のように、ただただ普通に作っているだけです)。
 中国人が日本の漢詩を読むと、「どうしてこんなに、日本人は、我が中国のことも自然を美しく表現してしまうのかな」と感心するようです。以下を読んでみてください。

  乃木希典「旅順をめぐる三つの詩」

 乃木さんには、この三つのほかにも、たくさんの詩がありますが、実に見事ですよ。郭沫若が絶賛するだけのことはあります。
 私も学生運動での刑務所の勾留の中で、漢詩作りをやったのですが、もう時間のかかること、時間のかかること。もう韻をふみ、平仄の原則を合わせるのは、大変に時間がかかるのです。だから、刑務所の中で、私は七言絶句を一つしか作れませんでした。
 ひどい日本人の漢詩(まがいのもの)の例は以下にあげておきました。

  田中角栄の漢詩

 思えば、良寛さんも平仄にはとらわれない詩を書いているのですが、

   良寛の詩

これはいいですよ。上の田中角栄のは、もう話になりません。

ローマ軍団が何とかの谷で剽悍な山岳少数民族に大敗したというエピソードがあったと思うんですがなんの谷でしたっけ。

 これだけの情報だと判らないのです。「剽悍な山岳少数民族」というところで、私は判断できません。「ローマ軍団が敗れた」「谷」というところで、これは「ゲルゴウィアの谷」じゃないかな。ガリアのアルヴェルニア族の若きウェルキンゲトリクス王がカエサル軍団を破った戦いです。アルヴェルニア族は少数ではなく、ガリアの大部族なのです。これは「ガリア戦記」に書いてあります。岩波文庫にありますよ。

最近本屋で銀河英雄伝説の田中芳樹が中国文学にも造詣が深く中国の時代小説

 ごめんなさい。私は全く知りません。若い方の小説を私は知らないんだなあと深く確認できました。
 また。萩原周二

   Saturday, July 03, 2004 9:58 AM
少し加えます

 直前のメールで

 中国人が日本の漢詩を読むと、「どうしてこんなに、日本人は、我が中国のことも自然を美しく表現してしまうのかな」と感心するようです。以下を読んでみてください。

というところなんですが、乃木さんの詩は、平仄のこと等々ではいいのですが、「日本人が中国の自然を美しいものと思い込んでいる」という内容は、以下のほうがいいと思いました。

  「日本の誇り」ということに関して

 日本人は、まったく感覚および自然観も違う中国人の言語の使う漢字を学んだことは、大変に苦労してしまうことでしたが、また良かったことでもあるなあと私は思っています。萩原周二
(第205号 2004.07.19)