1301250113012502 昨日は「ただ干鰯(ひいわし)のことは明日は分かるかなあ」とは書きましたが、六兵衛は香の物にも箸をつけぬのです。

 ・・・・・・。湯漬けの飯だけを食ろうて、干鰯にも香の物にも箸を付けぬというのは、きっと何か意味があるにちがいない。

 六兵衛は噯(おくび)ゲップをするのですが、徳川慶勝の前なのです。加倉井隼人は怒りますが、今度は慶勝が抑えます。これは何かあるのかもしれないと思い込むのですね。ここで切ったら、上野の彰義隊の怒りに火をそそぐだけだと。

 二人がようやく腰を落ち着けたとき、やにわに六兵衛が立ち上がった。閏月13012409を挟んでかれこれ二月余も座り続けた上之御部屋を離れ、いづくに向かうや六兵衛。

 やはりこの今の的矢六兵衛の考えていることはどうにも見当もつきません。さて明日は六兵衛はどこへいくのでしょうか。