2018073101  これは実にいい小説です。もう私はそれだけを思います。御隠居は言います。

家柄がどうの血筋がどうのとこだわり続けるうちに、天下の旗本にふさわしい武士はひとりもいなくなった。その最後のときを迎えて、われらは的矢六兵衛という一閃の光芒を見たのだ。13033002

だから現実にはこの新的矢六兵衛はいないのですから、「一閃の光芒」なんかないのです。私は今の今も自分(の祖先が)が江戸時代とかに、武士だったことを誇る大馬鹿に出会うことがあります。いや単なる無知の恥知らずだけなのですが、こうした作品を読んでいてほしいものです。この「黒書院の六兵衛」を知ってほしいです。所詮は、浅田次郎が描いた人物だということを。いや私は貶しているのではありません。武士が大嫌いなだけなのです。13033001

・・・・・・。天狗に拐かされた六兵衛が立ち戻ったのだ。あやつは隠居夫婦の心のうちを忖度(そんたく)してくれた。いかなる困難を伴おうとも、この翁と媼の悲しみを掬(きく)することこそおのが努めであると信じた。

13032915 また私はこの御隠居の話で涙になります。ああそうだ。やたらに私がどこでも涙になることで、「なんだ、そんなに涙になる人間がいるわけない」と思ってしまうかたが、ごく少数でもいるかもしれません。
私の娘おはぎと結婚したミツ君が結婚して驚いたのは、おはぎがテレビを見ても、時々本当に涙を流すことにです。これは私の血です。もう私は大昔から当たり前のように、感動で、悲しみで涙を流すのです。私の娘にも、私の血が流れているのです。
またこの小説で私は涙を流していくのです。
明日も、この小説を見ていきます。

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