ここの写真を見て私は「あ、蘇東坡の蘇州夜曲だ」と声に出してしまいました。そして次の歌詞も出てきます。
君がみ胸に抱かれてきくは 夢の船歌恋の唄
水の蘇州の花散る春を 惜しむか柳がすすり泣く
もちろん、私は最後の「鐘が鳴ります寒山寺」まで自然に歌えます。
これは李香蘭(山口淑子)の歌ですね。私は渡辺はま子もよく唄ってくれた歌(作詞西条八十、作曲服部良一)だなあと思い出します。
そして私は蘇東坡の詩を思い浮かべるのです。私は蘇軾というよりも蘇東坡(これはこう蘇軾が称したのです)と言ったほうが親しく思える詩人です。
私は以下のように、いくつかこの詩人の詩を紹介しています。
蘇軾『六月二十七日、望湖樓酔書』
蘇軾『贈劉景文』
蘇軾『澄邁駅通潮閣』
しかし私がよく思い出し、口から出てくるのも、この下の詩なのです。
飲湖上初晴後雨 蘇軾
水光瀲灧晴方好 水光瀲灧として、晴れ方(まさ)に好(よ)く、
山色空濛雨亦奇 山色(さんしょく)空濛(くうもう)として、雨もまた奇なり。
欲把西湖比西子 西湖を把(と)って、西子に比せば、
淡粧濃抹總相宜 淡粧濃抹、総て相(あい)宜(よろ)し
おそらく私には、この詩人が中国の詩人では一番好きでしょう。私は王朝雲という女性とのロマンスが好きです。
蘇軾の生涯は、1037年1月8日から1101年8月24日でした。また私は彼の詩を幾度も読んでいくでしょう。そして西施のことも松尾芭蕉(「象潟や雨に西施がねぶの花」の俳句)のことも思い浮かべているでしょう。