1304110613041107 今日は福地源一郎の見たままの思いで描かれていきます。

 福地源一郎は黒書院を取り巻く人々のうしろから、一部始終を見届けた。

 彼には的矢六兵衛と明治天皇が接したことを、実際に会話していたように思えるのです。

 ・・・・・・、実はその間に聖上(おかみ)と六兵衛が人の耳には聞こえぬ対話をかわしているように思えてならなかった。

 この作品でも明治天皇と六兵衛は会話はしていないのですが、でもそう思われても私も肯いてしまうのです。不可解な江戸幕府の政権投げ出しを、六兵衛は天皇と会見することで、分かるものとしたのでしょう。はっきり言いまして、私ではさっぱり分からないわけですが。
 でもそこには、加倉井隼人がいたのです。13041008

 勝安房が赤児を宥めるようにして隼人を抱きとめた。たしかに仰せの通り。律儀なこの尾張の侍はまことによくやった。

 この通りです。このときの光景をどうしても私は実際に見えるような思いになります。勝安房があまり好きにはなれない私ですが、この時には、「いい奴じゃないか」と私も思ってしまうのです。