将門Web

周が日々仕事であちこち歩いたり、友人や家族と話した中で感じたことを発信しています。

Tag:酒の肴

11101803  私は独身のころよく下宿で仲間と酒を飲むのに、さまざまな酒のつまみを作ってきました。そんなときに作ったものをいくつか思い出してみましょう。もちろん今でも簡単に作れるものです。まずは、安くてかつ手軽なものからです。ヒサンなつまみといってもいいかもしれません。

  「もやしの酢醤油」
  もやしというのは昔も今も安い野菜だと思います。私たちが学生だったころは、もう30円も買えば、5、6人分あるという感じだったでしょうか。5円、10円分買ったなんてこともありましたね。そのもやしを使うつまみといったら、それはまたいくらでもありますが、その中でももやしのみ使った非常に簡単なつまみです。
  もやしを簡単に茹でます。あまり茹ですぎてはいけません。面倒だから、フライパンなんかでから炒りしてもいい。これをただ酢醤油で食べるだけです。あっさりしていて、腹にたまらずに、けっこういいものです。これを私の下宿で知って、自宅へ帰って作った後輩の母親がこの料理のコツを後輩を通じてきいてきたことがあります。それへの私の答えです。

  こんなもんに、コツなんかあるか。これは料理じゃないよ、た
  だのつまみだよ。

  「梅干しに味の素と醤油をかける」
 もう何もつまみがなくても、酒だけが手に入ったときのことです。そのとき私の下宿には、私の母の作った梅干しかありません。しかも残り3つしかなかった。酒をもってきた私の後輩は、この梅干しをさらの上にのせて、味の素と醤油をかけました。そしてこれをつまみにして飲み出しました。

  だけど梅干しを食べちゃだめだよ。食べたら無くなっちゃうか
  ら。

というので、延々醤油と味の素をかけ続けて、酒を飲み干してしまいました。しかし、そのとき以来、このつまみは評判を呼び、必ずいつも用意するようになりました。味の素なんて、これを使うと頭が良くなるとか、逆に体によくないとか、いろいろいわれてきたものです。私たちはどうでもいいのです。ただ酒が飲めればいいのですから。

  「鳥皮」
  肉屋でも、鳥肉専門の店があります。そこではおそろしいくらい安いものがあります。鳥皮ですが、とくに「親皮」なんてのは、もうだし用だから安いだけです。しかしこの親皮を食べることは普通はしません。「ひな皮」は食べることができます。72、3年の頃は、親皮が100グラム10円、ひな皮が20円というところでした。ひな皮を水炊きの肉として使いますと、大量の肉があるような感じになります。親皮は、まずとにかくだしとして使い、そのうち鍋から上げて細く切って、辛子醤油をつければけっこういいつまみになります。しかし安いですから、大量にありますから、そのつまみとしても残ってしまいますが、それはそれ、今度はさらに細かく切って、チャーハンの具として使用できます。鳥というのはなんでもすべて最後まで使えるのだなと思ったものです。
  まあ、鳥皮はあと、もやしと一緒にいためたりすれば、どうにでもいいつまみになります。とにかくこれで酒にまわせるお金が増えるのですから。

  「白菜なべ」
 白菜がおいしい秋になると、この白菜を大量につかった白菜なべというのが、どこかの地方にあります。もちろん白菜なべとはいっても、肉類ほかいろいろと入れているようです。でも私たちの場合は、その肉でも魚でも、買えないということがあります。そうしたらもうああた、それは白菜だけしかないじゃないですか。
  なべにこんぶくらいひきます(なければしかたない、何かだしの素でもどうぞ)。そこにただ新鮮でやすい白菜のみ入れて、水炊きとしてたべます。薬味は、それはなんでもあるかぎりどうぞ。酢醤油に、辛子に、とんがらしに、味の素に、胡椒に、ガーリックに、カレー粉に、そりゃなんでもあらぁネ。
 さらに白菜以外に、ねぎでもあれば少しは口に入れたときの味が変わっていいものです。そしてさらに台所のすみに鯖の水煮缶が1個でも見つかったら、それはもうもっと幸せな気持になれます。そのほかなんでもあれば、なべにいれればいいのです。ただし、なんでもといっても、なべの味を極端に変えるものは駄目です。それはそれで、また工夫してつまみにすればいいのです。

  「砂糖」
 けっこうどんな酒を飲むといっても、日本酒でとくにいわゆるひどく甘口の酒がどうしてか手に入ってしまったとか、例えば後輩の友人であるとかいうまったく酒を知らない人がたまたま酒を買ってきて、それがどうにもならない大手メーカーのどうしようもない甘い酒であったということがあります。そんなときには、もう仕方ないから、「おい、砂糖もってこい」と言って、砂糖をつまみにして飲むしかありません。どんな甘口の酒でも砂糖よりは辛いはずです。 私は酒が旨いと感じるのは、口の中に入ったときに「旨いな(これはあまいなとも読むわけです)」というときだと思います。つまりあまいと感じることはいいのです。だからいわゆる、日本酒度のプラスの酒、いわゆる辛口の酒を、口に含んだときに、「あまい」と感じられればいいと思うのです。ところが、いわゆる甘口の酒は、これはもう、「あまい」のではなく、口がべとべとと気持悪くなるような感じで、もうとてもいやになってしまいます。だから、これを防ぐには、それはもう、砂糖をつまみにするしかないのです。
 私は結婚するまで、私の下宿には、砂糖というものが存在しませんでした。使うことがなかったからです。(ついでにソースもなかった。私はあらゆるものに醤油しか使いません)。ですから、砂糖をつまみに出来るのは、人のところへ行ったときのみです。
 あるとき、後輩のところでどうしようもない酒が手に入り、しかたないから、砂糖をつまみに後輩と二人で飲みだしたら、その酒を買ってきた後輩の友人は、最初は冗談だと思っていたらしいのですが、延々飲んで、とうとう1升瓶を開けてしまったときは、さすがに驚いていました。

  私たちが酒の肴で大事なことは、まず安価なこと、そしてすばやく調理できることでした。これは鉄則なような気がします。結婚して子どもができてからは、みんなで下宿に集まってという感じはなくなったしまいました。酒を自宅なりで飲むのには、今ではそれほど安価でなくてもいいのかもしれませんが、すばやく料理できることは今でも大事なことです。
 私たちは何で独身のときにはあんなにみんなで集まって飲んでいたのかななんて思います。誰の下宿に集まっても、みな積極的に料理づくりに協力しました。ほとんどみな、彼女がいて、その彼女がきてくれていても、たいがいは男どもが狭い台所に立っていました。そうした伝統が順繰りに後輩にも伝わっていったと思います。
 まあ、彼女たちがくるときは、少しはいい肴を作ったものですが、もう男同士だと、上のようなもので延々と飲んでいました。

8298d569.jpg09081416 この写真は、長女おはぎが、箱根への家族の旅行でお土産に持ってきてくれたものです。たしか一昨日まで、私がお酒の肴にしていたものです。8月14日の夕方撮りました。
 もう私は大変に喜んでいました。
 いつもこうして娘が私を思ってくれる気持が嬉しいです。……あの、それでお酒もお土産にしてくれるといいな。

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