1211290512112906  この権現様の鎧櫃を玄関からさらにあげなくてはいけないのですが、誰も担ごうとしないのです。そこで津田玄蕃が自分が申し出て、その相方に新的矢六兵衛が出てくるのです。

 ところが、いざ鎧櫃が御玄関に上がると、進んでこれを担ごうとするものがない。誰も彼も万一の粗相を怖れて、手を触れようとしないのだ。

 こんなことは私もいつも体験してきていますね。津田玄蕃が前を担ぎ、申し出により六兵衛がその後で担ぐことになります。「やめおけ」という声もかかりますが、誰も自分ではやろうとしないのです。

 しかし、あれこれ言うわりには誰も進み出ぬ。

 この光景が実に目に浮かびます。「あれこれ言うわりには」、どこでも同じなのです。でもでも、六兵衛は違うのです。でも背の高い六兵衛では釣り合いがとれないはずなのですが、

 ・・・、拙者の身丈に合わせて中腰で歩んでいるではないか。12112806

 うーん、これだけを普通にやる、できる新的矢六兵衛なのですね。それが今ではこうした事態になってしまったのです。
 どうか、津田玄蕃の説得を六兵衛が素直に聞いてほしいものです。