将門Web

周が日々仕事であちこち歩いたり、友人や家族と話した中で感じたことを発信しています。

Tag:長谷川英祐

 あるクライアントで話したことです。

 働き蟻の中にも働かない蟻が2割いる。
 みな黙々と働いていると思われていた働き蟻のうち、約2割は働かない、それで、この2割を取り除いても、残ったのは、働くばかりの蟻のはずなのに、またその2割は働かなくなる。そして働かない蟻ばかり集めてみても、また同じことになる。このことにより、働かない2割の蟻にも、なんらかの役割があるようである。

11053102 私は自分で話したことであるわけですが、このことをインターネットで調べてみました。これは、北海道大大学院農学研究科の長谷川英祐助手(進化生物学)ほかの方々が調べた研究成果のようです。
 そして私がいろいろと調べたところ、この「2割」というところが、2、3割になっていたり、逆によく働く蟻の割合が2割としているところもあります。
 ただとにかく、蟻の社会にとっては、働かない蟻というのも何等かの役割を果たしているのではないのかということです。
 このことを、人間の社会でも考えてみると、なんだか面白いのです。小学生の頃、掃除をするときに、必ず何割かの、掃除をしないで、箒でチャンバラをしているとか必ずさぼっている連中がいました真面目な女の子なんか、私のような委員に、「あのサボってばかりいる連中を注意してくれ」といつも言われたものでした。私はそういういいかたに対して、「サボる奴は、そのままほっとけばいいじゃないか」という態度で終始したものでした。
 このことは小学校の掃除の話ではなく、どこの学校でも、会社でもある話です。そして、いつも真面目に働いている人は、一見働かないサボり屋にいらいらしています。私はときどき、その人たちの不満を聞くことになります。

 私はさらに話したのですが、ナチズムは、いわば人類の不良分子を抹殺しようとしました。不良を抹殺すれば、優秀で真面目な人類だけが残り繁栄すると考えたのです。ナチズムは、不良分子である、ユダヤ人や共産主義者を抹殺しようとしただけではありません。ジプシーと言われる人たちも、身体や精神の障害者も、同性愛者も、すべて少数の異常者(と彼らが考えている部分)を抹殺しようとしました。そうすれば、きっと優秀な人間民族ができ上がると考えたのです。できたら、金髪碧眼の優秀なアーリア人だけの世界を作るつもりだったのでしょう。でも当然できませんでした。
 でもこれはあきらかに間違いです。人類にも、優秀な部分も不良な部分もないのです。みな必要な大事な存在なのです。
 思想や宗教で、この人間の良・不良を区別することは決してできません。人間が、それでも「この人間は、ここではいけないことをした存在だから、ある期間隔離するという罰を与える」という判断は、法によるものだけです。
 そんなことをお話したものでした。

11042912 この本をインターネットで見つけたときに、すぐに読みたいと思い注文しました。そして届いたら、すぐに読んでしまいましたが、少々物足りないなという思いがありました。
 でも今、こうして目次を書き抜いて、こうしてここで書いていますと、また読もうという気持になりました。いわば本を二度読む感じなのですね。
 ただ昔にも私はこのことを書いたことがあります。
 それで明日から、それを「周のコンサル」で優先して書いていきます。

書 名 働かないアリに意義がある
著 者 長谷川英祐
発行所 メディアファクトリー新書
定 価 740円+税
発行日 2010年12月31日初版第1刷発行
読了日 2011年4月28日

【目次】
序 章 ヒトの社会、ムシの社会
    「とにかくこの世は住みにくい」
    個体は社会から逃げられない
        厄介者扱いされるオス
    齟齬が生みだすユニークさ
    ムシの社会を覗いてみれば
第1章 7割のアリは休んでる
    アリは本当に働きものなのか
    ハチの8の字ダンス
    働かないことの意味
    なぜ上司がいなくてもうまく回るのか
    小さな脳でなぜうまくいくのか
    若けりゃ子育て、年とったら外へ行け!
    アリに「職人」はいない
    お馬鹿さんがいたほうが成功する
    兵隊アリは戦わない
    ●1章のポイント
第2章 働かないアリはなぜ存在するのか?
    「上司」はいないアリやハチの社会
    よく働くアリ、働かないアリ
    「2:8の法則」は本当か
    遺伝で決まる腰の軽さ
    「やるやらない」はどう決まる
    ハチやアリにも過労死が
    みんなが疲れると社会は続かない
    規制品ばかりの組織はダメ
    ●2章のポイント
第3章 なんで他人のために働くの?
    子を生まない働きアリの謎
    血縁選択説の登場
    わが子より妹がかわいくなる4分の3仮説
    実証不能のジレンマ
    美しすぎる理論のワナ
    弟はいらない
    群選択説も登場
    ヒトの滅私奉公
    生き残るのは群か? 血縁か?
    向き合わない両者
    ●3章のポイント
第4章 自分がよければ
    社会が回ると裏切り者が出る
    本当に働かない裏切りアリ
    なぜ裏切り者がはびこらないのか
    他人の力を利用しろ
    究極の利他主義、クローン生殖
    最初にやった仕事が好き
    それでもやっぱりパートナーがいないと
    ●4章のポイント
第5章 「群れ」か「個」か、それが問題だ
    庭のネコの生物学的見分け方
    なぜ群れるのか
    なぜ群れないのか
    完全な個体
    不完全な群体
    不完全な群体を超えて
    ●5章のポイント
終 章 その進化はなんのため?
    食べ始めたとき、進化した
    自然選択説の限界
    神への長い道
    説明できないという誠実さ
    いつも永遠の夏じゃなく
    ●終章のポイント
おわりに 変わる世界、終わらない世界

【著者】
長谷川 英祐
進化生物学者。1961年東京生まれ。北海道大学大学院准教授。農学研究院環境資源学部門/生物生態・体系学分野/動物生態学研究室所属。観察、理論解析とDNA解析を駆使して、主に真社会性生物の進化生物学研究を行っている

  実は、私は過去にこの関係のことを書いています。

  働かない蟻も必ず何割かいる(2004.09.20)
  働かない蟻も必ず何割かいる の2(2004.09.27)
  働かない蟻も必ず何割かいる の3(2004.11.01)

 これは私の昔毎週月曜日に出していた「マガジン将門」で書いていたのですが、これをまた私のブログで書くのは、まだかなり先です。
 それで、明日から、この上の3つを私の「周のコンサル」で書いていきましょう。

↑このページのトップヘ