1304080113040802  今日は明治天皇の心の内が推測されています。こんなことは始めてのことですね。と私は思うのです。
 もう的矢六兵衛が座りこんでから、10ケ月が過ぎているのです。

 十月(とつき)といえば、やや子も産まれるのである。さなる長きにわたって夜も昼も横たわることなくじっと座り続けておるなど、阿闇梨の荒行も及ぶまい。

 このときに明治天皇は、この六兵衛を自分の目で見て見たいと思ったのです。そして宮城の中を走ることになるのです。近習のものはどんなに驚かれたことでしょうか。

  かくして稲光とともにあちこち走り回られたあげく、聖上(みかど)はついに表御殿黒書院へと至った。

 とにかく明治天皇にとってもこの黒書院の六兵衛はものすごく興味のわくことだったでしょう。だがその当人の六兵衛はどうなのでしょうか。もう徳川家は江戸城の主ではなく、天皇がそれに替わったということに六兵衛はどう反応するのでしょうか。13040616