11032018 今もよく歩く谷中の路で、この幸田露伴のことを考えます。私が露伴の小説の中で一番好きなのは、『平将門』かなあ。
  中学2年の6月に読んだこの作品は私には大変に印象深い作品でした。私が中学生の頃よりいつも「私の一番好きな文芸作品」と言ってきたのが、この小説でした。
 主人公ののっそり十兵衛の気持をいつも考えます。私はいつも谷中墓地を歩き、そしていつも五重塔跡に佇み、今は幻でしかない、五重塔を頭の中で思い浮かべています。
 私はこののっそりよりも源太のほうが好きになれます。十兵衛はあまりに難しいです。面倒です。その思いばかりでした。
 でもでも、そんな思いだけできたものでしたが、近頃私はいつも谷中の墓地の中で、今は幻でしかない五重塔を思い描いて、十兵衛のことが少しは好きになれました。やっぱり十兵衛だからこそ、あの五重塔ができたのですね。
 幸田露伴邸のあともいつも見ています。そしていつも露伴のいくつもの作品を思い浮かべている私なのです。
 露伴は1867年(慶応3)8月22日〜1947年(昭和22)7月30日の生涯でした。(2011.03.21)