10110704 私が長い間見続けている夢がある。何故か私はもう1度高校に入り直して、その長い高校生活を終え、大学に入ったところなのだ。私は高校は2度目だとは分かっていて、同級生よりは2歳年上のようだった。
 高校時代はかなり長くて、とくに授業の中では、物理と化学は訳が分からず、毎回眠ってしまっているような時間の過ごし方だった。前回どこか全寮制のような大学に入学できた。きょう見たのは、その大学の歓迎会のようなシーンである。
 私の席の隣に私よりいくつか年上の女性が来て話しかけてきた。どうも大学の職員かアルバイトのようだ。

 女性「キミがあの面白い子か」
 私「えッ!」
 女性「前に、今可愛い子が来たと言われていたから、顔を見たかったんだ」

 ここでいう「可愛い」というのは「幼い」というような意味で、私は昔は童顔だったから随分あちこちで言われたものだった。それでどう面白いことがあったかというと、それは前回の話なのだが、私はこの大学の寮についたときに、母が送ってくれた蒲団袋と寝袋が届いていたのだ。それを受付みたいなところで部屋へ届けてくれとたのんで、私はいろいろ関係のあるところへ挨拶にいき、飲んでしまっていたのだ。

 女性「いまどき、蒲団袋なんてもってくる学生はいないよ」
 私「だって、おふくろがもっていけっていうんだ」
 女性「だけど今はみんなベットだよ、どうするの?  それとあのときはどこへ飲みにいったの?」

 当日私は、かねてから知り合いのところへ挨拶にいったのだ。それはちょうど飯場か麿赤児さんの稽古場のようなところだった。そこで「ひさしぶり」と飲みはじめ、延々飲んでいたのだ。たしか4軒飲んだようだ。朝4時に寮に戻ったのを覚えている。

 私「あの日は、唐さんのところへ…………」
 女性「え、唐十郎?」
 私「いや、ええと李…………」
 女性「李さん、李さんなら知っているよ」

 私がなんで「唐」といったのか分からない。唐十郎さんとはお会いしたことはないのだ。李さんとは李麗仙さんのことでもない(李さんという友人はいますが)、私は年上で元気な女性にたたみこまれるように聞かれるのでなんだかよく分からず喋ってしまう。たしかあの日は麿赤児さんとは飲んで、あといろいろな人と会ったはずなのだ。
 そうしているうち、その女性は行ってしまう。元気で大柄で黒のノースリーブのワンピースを着た美人な女性だ。でも私はちょっと苦手だな。そうしたら、もうひとりの女性がまた隣に来た。私と同じか1つ位年下かなという小柄で白のブラウス来た女性だ。その娘が面白そうに話しかけてくる。

 その娘「あなたはどうして寝袋なんか持ってきたの?」
 私「いや、だってあれがあれば何処でも寝られるし………」
 その娘「でも、あの寝袋は………」
 私「少し、臭いんだろ、古いからね、でもあれは大事な寝袋なんだ」

 彼女の笑った顔が可愛い。それにしても、私の蒲団袋と寝袋と、朝4時に酔って帰ってきたことが、かなり話題になっていたようだ。
 ここらへんで目が醒めた。さてこれからの大学生活はどうなるんだろう。とにかく私はすべて2度目の経験なのだ。(1994.08.12)