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 先生がいうには、お前みたいのは全然駄目だ、老人というのはみんな淋しいものなんだ。だから、うるさがれるほど頻繁にやってきて、もう働き口は見つかりましたかとか、先生やっていただけましたかとかいっていればいい。でも、こないのは駄目だ。ご老人は淋しいから、頼られることが嬉しいんだと、そういう話だったんです。それを君の態度は何だ、なっちゃいないぞって怒られたわけだけど、そのときは本当に感心しましたね。(『生涯現役』2006.11.20洋泉社第一章「老いのからだ」)

 この先生は、東京工業大学の遠山啓教授のことだ。これは吉本さんでなくとも、同じ態度になってしまうのではなかろうか。私もいつも就職口を探していたものだが、いつもどこにも頼みに行ったことがなかった。思えば私は自分のやり方を間違えていたし、相手のとらえ方も間違えていたのかもしれない。でも、もうそうやって今まで来てしまったんだなあ。

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