マルクスのものにしてはおかしいんじゃないかと感じるところがあるんです。でも親鸞という人は、おかしいことや時間が経ったら通用しないことをあまりいわない人だというのが、いまのぼくのかんがえ方です。
マルクス主義は、マルクスに関してのこれはちょっと違うよというものをもっと違うふうに直してしまった。ロシアがレーニン以後に発言したことはすでに通用しないことが、相当はっきりしてきたとおもっています。そのもとは何かというと、マルクスです。マルクスのいったことには通用しないものがある、という疑問がぼくには生じている。(『還りのことば』2006.5.1雲母書房「環相の視座から」）
マルクス主義は、おかしなところがあるというか、「間違っているよ」といえるところがあるとはっきり言えます。それは真っ先にスターリン主義があげられるでしょう。あれはスターリン個人が悪いのではなく、そもそもマルクス主義そのものに問題があるのではないかと思います。ところが、この「マルクスそのものに通用しないものがある」と言ったことは、吉本さんは、これが始めてではないのかな。
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