わたしと小鳥とすずと―金子みすゞ童謡集
この本も、ナミちゃんのブログの紹介で知りました。
http://blogs.yahoo.co.jp/namint7/folder/1569450.html
書 名 金子みすヾ童謡集
わたしと小鳥とすずと
著 者 金子みすヾ
選 者 矢崎節夫
発行所 ＪＵＬＡ出版局
定 価 １，５２４円＋税
発行日 １９８４年８月３１日第１刷
読了日 ２００７年８月２７日
みすヾが最初に投稿した詩が以下のものです。
お魚
海の魚はかわいそう。
お米は人につくられる、
牛はまき場でかわれている、
こいもお池でふをもらう。
けれども海のお魚は
なんにも世話にならないし
いたずら一つしないのに
こうしてわたしに食べられる。
ほんとに魚はかわいそう。
この詩を読んで、やっぱり私は涙が湧きました。もう私はみすヾの感性が少しは判ってきたつもいでいるのですが、でもどうしても涙が湧きます。今もそうです。
どうして、こういうふうに考えられるのかな。そしてそれをそのまま言葉に出せるということに、大変に感動してしまいます。
みんなをすきに
わたしはすきになりたいな、
何でもかんでもみいんな。
ねぎも、トマトも、おさかなも、
のこらずすきになりたいな。
うちのおかずは、みいんな、
かあさまがおつくりなったもの。
わたしはすきになりたいな、
だれでもかれでもみいんな。
お医者さんでも、からすでも、
のこらずすきになりたいな。
世界のものはみいんな、
神さまがおつくりになったもの。
私は世界にあるものを、みんな好きになりたいというような気持は全くありません。でもこう思ってしまう、こう言ってしまうみすヾが素敵です。いい存在です。羨ましいです。簡単なはずのことなのに、私にはできないのです。
わらい
それはきれいなばらいろで、
けしつぶよりかちいさくて、
こぼれて土に落ちたとき、
ぱっと花火がはじけるように、
大きな花がひらくのよ。
もしもなみだがこぼれるように、
こんなわらいがこぼれたら、
どんなに、どんなに、きれいでしょう。
私もいつでも笑っていたいですね。そうだ、孫のポコちゃんの前ではいつも笑っていようと思いました。自分に約束します。
私と小鳥とすずと
わたしが両手をひろげても、
お空はちっともとべないが、
とべる小鳥はわたしのように、
地面（じべた）をはやくは走れない。
わたしがからだをゆすっても、
きれいな音はでないけど、
あの鳴るすずはわたしのように
たくさんなううたは知らないよ。
すずと、小鳥と、それからわたし、
みんなちがって、みんないい。
この詩が、この本の題名になっています。どの詩もいいです。でも読んでいて、今の私の心に残る詩がいくつもあるのです。また読むと、また別な詩も私の心に残ると思っています。
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